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コラム

2024年を振り返る(茶道のお稽古編)

茶道を習い始めて3年目に入っています。数ヶ月前に習い始めたばかりの方の上達スピードを目の当たりにして、自分の歩みの鈍さを自覚していますが、趣味は楽しんだ者勝ち。先生や先輩のお姉様方に恵まれて楽しく学ぶことができています。

着物と袴を仕立てた

茶道のお稽古に関する今年のトピックを三つ挙げようと考えると、真っ先に思い浮かんだのが着物と袴を仕立てたこと。2年間はユニクロのボタンダウンのシャツとパンツでお稽古をさせてもらっていて特に不都合はなかったのですが、そろそろお姉様方に合わせて着物と袴を着用しなければならないと自覚しました。たしか5月頃にオーダーして、お稽古に初めて着て行ったのが10月。ちょうど単衣の着物が快適な季節になっていました。

着物を仕立てたのは神奈川の呉服店です。出張のついでに立ち寄り、予算と用途を告げて後はお任せで仕立ててもらいました。若干、着物のサイズが大きいような気もするのですが、初めての買い物なのでプロに仕立ててもらえてよかったです。今後は少しずつアイテムを増やしていって、季節やイベントに柔軟に対応できるように揃えていきたいです。

最近気付いたのは、男性の場合、着物は洗える着物で十分で、袴を正絹のパリッとしたもので用意すればOKだということ。汗をかくことを考えると正絹の着物は定期的にメンテナンスが必要で、その都度それなりの費用が掛かります。洗える着物で高品質なものを持っておけば便利そうだと気付きました。袴はポリエステル製もありますが見た目ではっきりわかってしまいます。汗などでひどく汚れるものではないので、正絹で用意したいところ。さっそく2着目をオーダーしているところです。

着付けは何回か着ているうちに自然と覚えてしまいました。詳しい人が見たらおかしな点があるのかもしれませんが、「着物警察」に遭遇することもなく、そして教室のお姉様方に何かを指摘されることもなく、なんとなく着ることができるようになりました。最初のうちは帯の締め方と袴の穿き方をその都度、YouTubeの動画で確認していたものの、今では動画に頼らずとも着ることができるようになりました。当たり前のことですが、何回か失敗したら、後はなんとかなるものです。

お稽古の茶事で亭主役を任せてもらった

毎年12月に教室内でお稽古の茶事をおこなっています。他の教室では茶事をしないところも多いそうで、私も新たに入会してきた方が「茶事の経験がない」とおっしゃっているのを聞いて、そのありがたさを今さら理解しました。

茶事とはざっくり言うと、懐石料理の後に濃茶と薄茶を提供する正式なおもてなしのこと(たぶん)。茶道とはお茶を点てることだけだと勘違いしていたのですが、すべてはこの茶事を開催するためのお稽古だったのでした。茶道具も取り扱っていた元茶わん屋なのに、茶事がなんであるかも知らなかったのを今さら恥ずかしく思っています。家業の代表取締役に就いた時にも茶道を習おうかと考えた時があったのですが、つい後回しにしてしまい勉強する機会を逃していました。茶わん屋を離れてからもうすぐ10年になりますが、早く習っておけば良かったと今でも考えるときがあります。

私が通うお教室では、手を挙げればチャンスをたくさん与えてくれるのでありがたいです。節目毎にさまざまな場面でお点前をさせてもらえるので、冷や汗をかきながらも学ぶことが可能。今年の茶事は本来であれば別の方が亭主役を務めるはずだったのが急きょ辞退されることに。今回は何も出番はないだろうと油断していたら先生から声を掛けていただいて、代役を務めさせてもらえることになりました。

年明けの初釜ではまたお点前をさせてもらえることに。他のお姉様方はお茶を飲む方が楽しいようなので、何事も練習と考えて経験させてもらうことにしました。47歳にもなると何事にも慣れてしまって、ひりひりとするような経験や冷や汗をかくような経験をすることは少なくなります。自分から進んでそうした環境に身を置いていかないと感性が鈍ってしまわないかと心配です。趣味の世界のことではありますが、自分の認知を拡げるためにも新しいことに挑戦し続けたいと考えています。

茶道のお稽古をしている様子

こんな感じでお稽古をしています

流派の勉強会に参加した

普段は教室の中だけでお稽古をしていますが、今年から流派の勉強会に参加させてもらうことになりました。他のお教室の生徒さんが集まって、合同でお稽古をするというもの。初めてお会いする人に囲まれてお点前をしなくてはいけないわけで、いつもとまったく違う環境であることにすっかり緊張してしまいました。2回参加して、初回は文字通り、頭が真っ白になるほど緊張しました。茶杓を落とし、手が震えるくらい。それでも2回目はそれなりに体が動くようになるから不思議なものです。

居心地の良い場所にいることは快適で、自分を守ることができます。でも現在地に安住しているといつまでも先に進むことはできません。経歴の節目に差し掛かる度に私はそう考えて、積極的に次の選択肢を選ぶことにしています。茶道のお稽古も同じ。「教室だけのお稽古で十分」と殻に閉じこもってしまうといつまでも中途半端なままで終わってしまうはず。他の先生や生徒さんの前で恥をかくことで、また新たな景色を見ることができました。


ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています

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