会議の「当たり前」を疑った方が良いと思う話
昨日今日と会議漬けでした。会議について考えてみます。
「いただいています」の濫用は聞き苦しい
あるスピーカーが「⚪︎⚪︎させていただいています」とか「⚪︎⚪︎させていただいていました」というのを多用していて、肝心の内容よりも気になってしまいました。堂々とお話しされれば良いのに、謙虚さを打ち出したいのか「いただいています」を何度も使ってしまい、発する言葉のリズムを損なっていました。
もう一人のスピーカーは同じ持ち時間でスライドの使用は無し。聞き手を惹きつける面白い話を展開してくれて、そもそも地頭の良い人なのだろうなと思いつつ勉強させてもらいました。スライドや配付資料が無いというだけで文句を言う人もいますが、これだけお話しできるのであればそうしたクレームとは無縁でしょう。スライドを駆使してもボソボソとしか話せない私にとっては大変参考になりました。
せっかく人前で発言するのであれば、堂々と話せば良いと思います。予防線を張っているつもりなのか、「大したことではありませんが」とか「釈迦に説法ですが」というのを多用するのはもったいないこと。せっかく人に何かを伝えられる機会なのだから、胸を張って話せば良いのです。
人前で話すのは勇気がいることで、慣れない時には文字通り膝が震えることもあるもの。どんなに上手な人も多くの失敗から学んで今があるはずなので、臆さずに自分を曝け出せば、それだけ上達も早まるはず。
近いうちにある事業者さんがプレゼンをする予定があるそう。発表者は新入社員に任せるとのことで、経営者の英断だなと感じました。さっさと失敗して恥ずかしい思いをしておけば、人前で話すスキルは勝手に身につきます。何もアナウンサーのように話すことが求められているわけではなく、伝えるべきことを自分の言葉で伝えられればそれで良いのです。
すぐにパソコンを広げる人
会議前からパソコンを広げている人がいて何か難しそうな顔をしています。ところが会議にパソコンは不用とのことで、それを知った途端に笑顔でパソコンをしまいこんでいました。
パソコンを広げているとそれだけで仕事をしている雰囲気を醸し出すことができますが、実際に生産的な仕事をしている人はそれほど多くなさそうです。電車の中で難しい顔をしてスマホを触っている人のほとんどがゲームをしているのと同じです。
私は経営者とお話しする時にパソコンでメモを取ることはありません。調べ物をするときや、その場で作業したい時だけ使うようにしています。画面を立てると壁を作ってしまうような気がするのと、視線を合わせて話しづらくなってしまうからです。
某組織の偉い人とお話しする機会があった時のことです。「今日はメモ取りが付いてきていないのでパソコンでメモを取って良いですか?」と言われたことがあります。丁寧な方だなと思った一方、録音してGoogleドキュメントなどで文字起こしすれば良いのにと思いました。今ならChatGPTで要約もできるでしょう。「メモ取り」と呼ばれるお付きの人も大変だなと思いました。
会議は事業を阻害するものと思っておいた方がよい
基本的に会議はお金を生み出しません。多くの人の時間を拘束して費用ばかりかかるもの。迷うくらいならやらない方が良いですし、やむを得ず開催するにしてもできるだけ短時間で終わらせてしまいたいです。ただの情報共有が目的なら資料を送ればよくて、よほどのことがない限り、会議をわざわざ開催する必要はないと思うのです。「懇親会に意義がある」という人もいますが、そのために会議を開催するというのはあまりに効率悪いことです。
また、会議というと1時間とか2時間、キリの良い時間で開催されます。本来、用件さえ済めば5分で終わっても良いはず。ある組織の会議がダラダラと続いていたので途中で退席したことがあります。それで何か支障が生じるようなことはありませんでしたし、怒られることもありませんでした。何か突発の用事でも入ったと思われたようです。もちろん、担当者には後から正直に退席の理由を告げておきました。
ダラダラと続く会議ほど時間を無駄にするものはありません。会議にまつわる当たり前を当たり前と考えずに見直すことで、限られた時間を有効に使うことができます。
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