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コラム

アトツギが経営者になったらすべきこと

    後継者が地方中小企業の経営者に就任したら、
    まず何をすべきでしょうか。

    あわてて動き出さない

    私が江戸時代から続く家業の
    代表取締役に就任したのが2010年6月。

    直前の役職は経理財務の係長で、
    取締役への昇進含みでもなければ、
    ましてや、
    父から代表取締役を引き継ぐ、
    具体的な準備をしていたわけでもありませんでした。

    事業承継の内情をお伝えすると、
    メイン銀行から
    「支援を継続するためには、
    父から私への代替わりが必要」と、
    遠回しに意思表示されたのがきっかけでした。

    そんな経緯で代表取締役になったので、
    私自身、
    何の心構えもできていませんでした。

    準備らしい準備といえば、
    ビジネス書を買いあさって、
    ざっと目を通したくらい。

    それまでは小説ばかりを読んでいたので、
    ビジネス書を手にするのはほぼ初めて。
    本を読んだからといって、
    経営力が身についたわけではありません。

    ただ、
    社長就任前後の混乱から
    一呼吸置くことができたのが大きな効果でした。

    後継者が事業承継する経緯は千差万別。
    満を持して登板する場合もあれば、
    私のように急きょ、代表権を持つ場合もあるでしょう。

    その時、
    代表権を手にして気分が高揚した状態で、
    ただちに行動し始めるのは危険です。

    あえて一呼吸置き、
    社内外の情勢を新しい立場の視線で
    把握してみてはどうでしょうか。

    陸上競技のバトン受け渡し

    事業承継後すぐに全力で走り出す必要はありません

    全体を把握する

    私の場合は、
    経営経験がまったくなかったので、
    意識しないと、
    営業活動のことばかりが気になってしまいました。

    日々の店舗の売り上げや、
    法人外商の受注残の金額などが
    いつまでも頭から離れないわけです。

    地方中小企業といえども、
    事業がしなやかに存続していくには
    様々な要素が絡み合っていくわけで、
    経営者はバランス良く目配りする必要があります。

    私はそのことに気付いてから、
    以下の8点を意識して思考するようにしていました。

    店舗
    法人営業
    人事
    財務
    商品
    仕入
    物流
    関係会社

    家庭用品の卸小売業だったので、
    このような要素に目配りしていました。

    利用していたのは、
    マンダラートというツールで、
    アプリもありますし、
    Excelに自分で書き出すことも可能です。
    もちろん手書きでもOK。

    自分の思考に偏りが生まれないように、
    マンダラートを用いて、
    事業を取り巻く環境の360度へ
    目を配るように意識していました。

     

    まずは一呼吸置く

    アトツギが経営者に就任すると、
    内外の環境は激変することでしょう。

    その変化に流されることなく、
    事業の持続可能性を担保するのが
    まずは最初の仕事と言って良いかもしれません。

    私の場合はマンダラートが便利な道具でした。

    また、社外取締役の弁護士からも、
    それまでの社内の常識に囚われない意見をもらえて
    なんども助けられました。

    代表取締役に就任したらまずは一呼吸置くこと。
    そして自分なりの経営スタイルを探すこと。

    これがアトツギから経営者に、
    立場が変わったときに必要なことです。

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