士業マーケティング 独立開業したらお金を使った方が良いもの

経費の節減という言葉の響きは美しいですが、成長の機会を逃しかねません。独立開業したらどんなことにお金を積極的に使ったら良いでしょうか。
人と会うための移動
私は出身が東京で最初の勤務地も東京、その後は京都、東京、福岡と移り住んでいます。そのため各地に知人や友人などお世話になった方がいます。独立開業してからも出費を惜しんでいないのはそうした人々と会うための経費。新幹線、飛行機、ホテル代などは金額を気にしないで使うことにしています。
士業の一番の商品は資格や知識では無く自分自身です。同じ資格を持つ競合が全国に数万人いるだけに、独自の立ち位置を築くには「自分」を商品にしなくてはなりません。そのために必要なのが人と会うこと。様々な人と会って話をし、食事を共にすることで刺激や学びを得られるのです。勘違いしてはいけないのが、何かを売り込むために人と会うのではないということ。あくまで自分を磨くために人と会うのです。
例えば10月には東京へ行ってきます。部活の後輩と飲んでいたときに決まったことで、先輩のお墓参りをすることになりました。それ以上でもそれ以下でもありません。商売とは関係ないですし、飛行機代もホテル代ももちろん自腹です。それでも数万円をかけて東京へ飛ぶのかどうか。私は迷わずその場で了承して予定を入れてしまいました。「ちょっと遠いから」「仕事で行くついでに会おう」などとは言いません。どこかで誰かと会えるのであれば、都合がつく限り、文字通り飛んで行くことにしています。
情報を仕入れるためのインプット
独立開業したあとに資格試験の延長でマニアックな勉強を続けてしまう人がいるようです。これは営業を怠って、勉強に逃げているだけ。そんなヒマがあったら知り合いへ開業の挨拶に廻らなければなりません。
一方で情報を仕入れるためのインプットは欠かせません。士業は経営者と対等の立場で話す機会が多いので、同じ目線で対話するための情報を仕入れなければいけないのです。
まず必須なのが日本経済新聞。すべての経営者が購読しているわけではありませんし、また新聞自体に目を通す人が減っているようではありますが、世の中の大きな流れを把握するためには非常に効率の良い媒体です。私も家業の代表取締役に就任する直前くらいから読み続けています。端から端まで読み込むなんてことはできませんが、それでも日本経済新聞と日経MJを合わせて読むのに1時間は費やしています。私にとっては毎日の欠かすことのできないインプットです。
以前は日経産業新聞も読んでいましたが、残念なことに休刊になってしまっています。元茶わん屋の私にとってはまったく縁の無い異業種の情報を仕入れるのに貴重な媒体だったのに。同じような新聞で日刊工業新聞というのがありますが、私とは相性が悪いようで関与先で購読しているものの継続して読む気にはなれません。
これから購読しようと思っているのが日経ビジネスです。一時期、読んでいたこともあるのですが持て余してしまいいつのまにか契約を打ち切っていました。秋から働き方が変わるのに合わせて再度購読してみようと考えています。

来月も息子と出かける予定です
清潔感の維持
残念ながら人は見た目でまず判断されてしまいます。先ほども書いたように士業は自分自身が一番の商品であるので、見た目を清潔に整えておくための努力は欠かせません。
髪を定期的に切る、シャツがくたびれてきたら迷わず捨てる、靴を磨いてから外出する、鞄の持ち手がくたびれてきたら買い換える、など。それなりに支出が必要なことではありますが、清潔感を維持するためにはこれらのことにお金を使う必要があります。
ある士業向けのセミナーで講演をさせてもらったことがあるのですが、結構な割合で、清潔感に乏しい方がいらっしゃったのには驚きました。「こんな調子で、果たして顧問先に贔屓にしてもらえるのだろうか」と不思議に思ってしまったのです。
さらに、付け加えるとパソコンやスマホへの投資を惜しんではなりません。生産性に直結する道具だからこそ、しょぼいスペックのものを選ばす、迷うくらいであれば最上位機種を手に取るようにしましょう。
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