飲み会でどんなことを話せばよいのか
最近、暑気払い等と称して飲み会に呼んでもらうことが続いています。今時の飲み会なので飲酒を強要されることもなく、最初のビールを飲んだ後は適度にソフトドリンクなどを楽しんでいます。そんな飲み会をより有意義な時間にするためには、どんなことを話せば良いのでしょうか?
仕事の話は避けるか後回し
家業の代表取締役をしていた時は、特に接待をしたりされたりということが続きました。そうしたときに学んだのが生々しい仕事の話は避けるか後回しにするということ。商談は商談、飲み会は飲み会と切り分けるセンスが必要です。
もちろん会話の中で目先の仕事に触れることもあるでしょう。そうしたときにちょっとしたキーワードをきちんと拾い上げて記憶することが重要です。ダラダラと仕事の話をしない代わりに、まるでサインを出すかのように何らかのキーワードを伝えてくれる人もいるからです。ある会社の幹部たちと会食した時、生々しい仕事の話は一切出ませんでしたが「今後も〇〇を続けることに変わりはありません」という言葉が飛び出したことがあります。私は、「あぁ、今日はこのことを伝えにいらしていただいたんだな」と納得したものです。
あまり飲み慣れていない人が飲み会に参加すると、ついいきなり仕事の話をし始めてしまいがちです。悪いとは考えませんが、率直に行って不粋。仕事の話がしたいのであれば、日中に時間をとれば良いのです。わざわざ夜に食事をともにしながら集まるのですから、他にふさわしい話題があるはずです。
そういう私も最初から接待に慣れていたわけではありません。家業の代表取締役を務めていた時にメイン銀行と会食をする機会がありました。何を話して良いのやらわからず、その場の会話は父に任せきりに。後から失礼なことをしてしまったなと、後悔したものです。もし今の私であればあんなことやこんなことを話していたに違いないなどと、今でも夢に見ることがあります。
雑談力といった言葉を耳にすることがあります。難しいテクニックなどは必要なくて、天気の話や当たり障りのない話題からコミュニケーションを深めていく程度のものです。相手と関係性を深めたいというこちらの意志を伝えるためにも、質問を繰り返していけば自然と会話は弾んでいきます。こればかりは場数を踏まなければ身につかないことでしょう。
人は自分の話を聞いてもらいたいもの
人は誰しも自分の話を聞いてもらいたいものです。中には自分の話だけを延々と続けてしまう人もいますが、広い心で受け止めてあげることも必要でしょう。途中で割って入ったり、すぐに否定するような反応をするのは避けています。
自分の話ばかりし続ける人が一緒にいる時、私は話を遮る代わりに他の人に話を振るようにしています「〇〇さんは最近どうですか」といった感じで、他の人が話せるように気を配るのです。このやり方は、相手の気分を害さず、かつ多くの人が会話に参加するきっかけになるのでお勧めです。
世の中にはおしゃべりをするのが好きな人もいれば、あまり得意でない人もいます。特に若い人は見知らぬ人と話すのが苦手かもしれません。そうしたときに一人ぼっちにさせるのではなく、適度に無理なく会話に参加できるように目配り気配りしてあげたいものです。
幹事は進行役のつもりで
飲み会に幹事がいる場合、その幹事は日程調整と会計だけが仕事なのではなく、飲み会の場の進行役も重要な仕事です。お酒の空いているグラスがないか、つまらなさそうな顔をしている人がいないか、何か話したがってそうな人がいないか。そうしたことに気を配って、参加者全員が(それなりに)楽しめるような時間にする責任を負っています。
飲み会が始まった途端に、しらけたような顔で1人飲んでいる幹事ほど不愉快なものはありません。自分の仕事はあとは会計だけとばかりに、誰にも気を配ろうとしないその姿は幹事失格です。せっかく幹事になったのであれば、みんなが楽しめる時間にするように目配り気配りを怠らないようにしてほしいものです。そうした経験を一度してしまうと、次からはつい足が遠のいてしまいます。
最近、すっかり酒が飲めなくなってきました。元々強くなかったので元に戻っただけなのかもしれません。最初の一口目のビールはおいしいものの、そのあとはできれば炭酸水か何かにしたいくらいです。自分自身がこのように変化してきているので、飲む人も飲めない人も楽しく過ごせるようにするのが幹事の腕の見せどころだと思っています。
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