いざというときに営業するための情報発信
ある関与先の営業担当者が「ちょっと気まずいな」と口にしました。どういう背景があって気まずい思いをしているのでしょうか。情報発信と営業について書いてみます。
何のための情報発信か
情報発信を何のためにするのかというと、売上を作るためです。情報発信したからといってそれだけで売上に繋がるわけではありませんが、情報発信により顧客と関係性を構築しておくことでその後の営業をスムーズに実施できるようになります。
この機微を理解している地方中小企業は熱心に自分たちのことを伝えようと努力します。納品書を送る封筒にニュースレターを同封したり、メルマガで自社のスタッフを紹介したりといった具合。何も目立ちたいからといった理由で発信しているのではなく、顧客と関係性を深めれば売上アップに繋がるとわかっているから取り組んでいるのです。
私は特定のグループにメルマガを発行していますが、目的は関係性構築です。末尾に付けているコラムを読んでもらうことで私の考え方などを知ってもらい、その後の中小企業支援に結び付けようと考えています。週1回ほど発行し続けていて、「コラムは必ず読んでいます」と言ってくださる方もいるくらい。急がば回れではないですが、まずは自己開示をすることで後からご縁が繋がればよいと思っています。
日頃から関係性を構築しておけば、いざ営業をしようと思った時にこちらの話を丁寧に聴いてもらうことが可能になります。自分が何者であるかを事前に伝えて理解してもらっているので、無駄に警戒されることなく耳を傾けてもらえるのです。これがまったく知らない会社や人からの営業であればどうでしょうか。「どこの誰だかわからない人からモノを売りつけられようとしている」「自分たちのことを何も知らないくせにセールスされている」といった感情が先だってしまい、実際の購買に繋がる確率は低くなることでしょう。
情報発信は営業のための種まきのようなもの。日頃からこつこつと取り組んでおくことで、いざという時の売上アップを実現してくれます。
まず始めて、そして継続する
今週はポッドキャストの収録があります。月に1回、翌月配信分の収録を実施しているもので、今回は3月配信分を5本収録予定です。44~48回目の配信分ということで、ひとまずの目標にしている配信100回が少し近づいてきたなと実感しているところです。
まだ何を話すか決めていませんが、このブログで発信した内容からネタは用意するつもり。対象は地方中小企業の経営者や士業で、目的は私が何者であるかを理解してもらうこと。この軸をブラさずに継続していきたいと思っています。
情報発信の肝はまず始めて、そして継続すること。いきなり読者やリスナーが爆増することなんてなくて、よほどのインフルエンサーでない限り、最初のうちはほんの少人数の目に留まるだけでしょう。でもその小さな一歩を馬鹿にしてはいけなくて、何も行動しなければその少人数からの共感も得られません。まずは勇気を持って始めることが重要です。
そして多くの人が挫折しがちであるからこそ、細かいことにこだわるよりも継続することに重きを置きたいもの。私も多くの地方中小企業に情報発信を勧めていますが、残念ながら継続できない人がほとんどです。ということは、継続できさえすれば競合に差を付けることが可能になるということ。コンテンツの質を担保することはもちろん大事ですが、そもそも継続できなければ意味がありません。始めた後に重要なのは何があっても継続することです。
気まずい思いをしないために情報発信
ある関与先が売上アップを目指して営業に注力することになりました。ところが顧客に対しては日頃から売りっぱなしで、情報発信など一切おこなっていません。その時、担当者の口からは「ちょっと気まずいな」という言葉が漏れたのを私は聞き逃しませんでした。日頃から何にも連絡を取っていないのに、いざ売上が足りなくなるとセールスに走る。こんな営業担当者が顧客から受け入れられることは少ないでしょう。本人もその自覚があるからこそ「ちょっと気まずいな」と考えているのです。
情報発信は売上に繋げるための種まきです。種まきをしていないのに、成果だけを得ようなんて都合の良い話です。日頃から手間を掛けて自分が何者であるのか、そしてどんな課題解決ができるのかをあの手この手で伝えているからこそ、いざという時の営業時に耳を傾けてもらえるようになるのです。
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