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コラム

仕事の変えどきについて考える

転職支援サービスに登録したままにしているので、たまにスカウトの連絡が入ります。スカウトと言っても広く浅く声掛けしているようで、必ずしも私の経歴が生きるものばかりではありません。今回も丁寧にお断りさせてもらいました。転職について考えてみます。

ピーク時に自分を売る

転職には経歴の売り買いという側面があります。会社側は過去の経歴から将来の活躍を期待して、人材を採用しようとします。転職者側は過去の経歴を詳らかにして、新しい会社で貢献できることをアピールします。

と考えると、職を変えようとする人に求められるのは経歴が落ち目になる前に職を変える勇気を持つこと。役職定年して会社に居場所がなくなってから転職しようとするのは、対応が後手に回っている典型例です。現役バリバリの役職者が自分を売りに出すのと、組織から一定の役割を終えたと見做されてから自分を売りに出すのとでは、当然、市場での価格(報酬)は異なってきます。

私自身の前回の転職もそう。地域でそれなりに必要とされていましたが、成果を出し続けても処遇が良くなる見込みはありませんでした。であるならば、新たに生まれるしがらみによって身動きが取れなくなる前に早めに独立開業してしまおうと決断し、職住ともに環境を変えることにしました。結果は今のところうまくいっていて、家族3人で暮らすには転職前より十分な案件をいただけています。

穏やかな環境から一歩踏み出す勇気を持つ

ぬるい環境に長く浸っていると人は良くも悪くも適応してしまいます。いざ転職した時には、刺激的な新たな職場で力を発揮できなくなってしまうことも。特に居心地が良いと感じた時は要注意で、いつまでも続くわけがないその環境に依存しきってしまう前に、勇気を持って一歩を踏み出すことが必要です。

家業の代表取締役を務めていた時に、かつて有期雇用で店頭に立ってくれていた人と話す機会がありました。最後は契約期間満了で退職された方で当時は面白くない思いをしたようですが、私と会った時には「T社がどれだけ恵まれた環境であったか、他社に勤め始めて痛感しています」と言っていました。穏やかな環境は内部にいる人にとっては当たり前のこと。外部に出て初めてそのありがたさを認識することもあります。居心地の良い環境にいつまでもいることも選択肢の一つですが、環境に依存するようになる前に外部に旅立つ勇気も必要でしょう。

転職には一定のリスクが伴います。聞いていた話と違ったり、新たな人間関係に翻弄されたり。それでも「転職する毎に必ずステップアップする」という堅い決意を持つことで、社会人人生はより豊かなものになると信じています。もちろんリスクに備えるために保険を用意しておくことも必要です。私の場合は大型二種免許と社会保険労務士資格が保険に当たります。万一、今の仕事が続かなくなったとしても、どこかでどうにか最低限は食べていくことができるつもりでいます。

夏の大倉山ジャンプ競技場

転職は飛躍のチャンスです

価値を向上させ続ける

人は誰しも毎年一歳ずつ年齢を重ねていきます。40歳を過ぎたら体力も落ちていくことがほとんど。いつまでも若さを売りにするのはまったくあり得ないことで、社会に提供できる価値を身にまとっていなければ必ずいつか必要とされなくなってしまいます。アイドルを思い浮かべるとわかりやすいと思います。若さと美しさだけを売りにしているアイドルはいくらでもいるわけで、資格を身につけたり、ニッチな趣味を売りにしたりすることで競合との差別化を図ろうとしている人を目にすることがあります。

年齢に関係なく社会に求められ続けるためには、不断の勉強が必要です。大会社に就職したからといって安心していたら、会社以外では通用しない人材になってしまいます。また、特定の経験だけを売りにしていてもいつかは賞味期限切れを迎えてしまいます。自分の価値を向上させつづけることで、年齢に足を引っ張られずに仕事を選ぶことが可能になります。

資格は何かを約束してくれるわけではありませんが、価値を増すためには有効な道具です。国家試験を経て得られる資格はそれなりの信用ももたらしてくれます。ただし、民間資格には要注意で、勉強と割り切る分には良いのでしょうが、履歴書等に堂々と記載するのには注意が必要。資格ビジネスに踊らされている人と見られるかもしれないからです。


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