まもなく始まるインボイス制度について考えていること
まもなく始まるインボイス制度。私も士業事務所の経営者ですので、制度開始を前にして気付いた事などがあります。
(選べるなら)課税事業者との取引を選ぶ
当事務所は適格請求書発行事業者です。すでに請求書の様式もインボイス対応のものに変更してすでに利用しています。
来月からは、もし選択することができるのであれば、適格請求書発行事業者との取引を選ぶことになります。具体的には、接待交際費を支出する飲食店は適格請求書発行事業者かどうかをまず確認することになるでしょう。
10月下旬にある宴会の幹事をやることに。過去に利用したことのあるお店の中から、参加者が喜んでくれそうなお店を選んで予約しておきました。予約を終えてからふと考えたのが、インボイスのこと。つまりインボイスを発行してくれるお店だろうかと気になったのです。仕入れ税額控除が可能となるインボイス対応しているお店の方がうれしいのは当たり前でしょう。
今後、接待や宴会の幹事で飲食店を選ぶ際には適格請求書発行事業者かどうかは重要な要素。ざっくりとした手書きの領収書(みたいなもの)しか発行してくれないような免税事業者のお店は、残念ながら選択肢から外れることになります。
もちろん、その他のお取引先が免税事業者であったとしても問題はありません。できれば適格請求書発行事業者のお店を選ぶというのは、あくまで飲食店を使う場面を考えてのことです。
今回の出来事は実務上、初めてインボイスを意識した出来事でした。
レシートの保管
これまでクラウド会計システムはfreeeのスタータープランを利用していました。それほど多くの仕訳が発生しない私の場合はこのプランで十分。特に不便を感じることもなく、一番安価なプランを選んでいたのです。
ところが10月以降のことを考えるとプランを変えた方が良さそう。スタータープランのままだと、レシート画像を自動で仕訳処理できるのが月5枚まで。さすがに月5枚以上のレシートが貯まっているので、10月からはスタンダードプランに変更して無制限に処理できるようにします。月払いで1200円ほどの経費増ですが仕方ないですね。
関連してドキュメントスキャナーを導入しようかとも思いましたが、今回は見合わせることにします。以前はScansnapを使っていて、紙資料を裁断してPDF化していた時もありました。その後、紙資料をもらうこと自体が減ったので引っ越しと同時に処分。レシートを高速で読み取るために、最新のScansnapをふるさと納税の返礼品でいただこうかなとも思いましたがスマホで撮影すればいいかと考え直しました。モノを増やしたくないというのもあります。
ちなみにレシートの入力は数ヶ月に一回、まとめて行っています。クレジットカードと銀行口座はfreeeで同期させていますが、現金や電子マネーで支払ったものは毎日入力するのが面倒なので後回しに。今年もそろそろ作業しておこうと思います。
税理士と顧問契約している安心感
零細な個人事業主ですが税理士さんと顧問契約しています。自分で仕訳しても問題なさそうな規模ではありますが、そのうちに法人化することも考えているので、早めに専門家に関与してもらう道を選びました。
日々の仕訳で困ることはほとんどありませんが、イレギュラーなことが起こった際に相談できる相手がいるというのは心強いもの。先日はあるウェブサイトを購入した時の仕訳を指導してもらいました。こういったことはネットで検索してもすぐに答えを得られるものではありません。月々の顧問料をお支払いしているからこそ、助けてもらうことができました。
私も中小企業支援家として顧問契約を締結してもらう立場です。訪問日をそれぞれ設定していますが、「何かあった際はいつでも連絡してください」と常々申し上げるようにしています。顧問料というのは訪問に対する対価だけではなくて、何かあった際に私と「繋がることができる権利」に対する対価でもあります。地方中小企業の経営者が困りごとに直面した際に、真っ先に連絡をもらえるような関係を築きたいと常々考えています。
10月からインボイス制度が始まると、本質的なところと関係のない部分で騒ぐ人が出てくることでしょう。インボイス制度は、国庫に納められるはずの消費税が事業者の手元に残る「益税」問題を解決するためにも必要な制度。税制があるべき姿に近づくだけのことだと考えているので粛々と対応するのみです。
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