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コラム

成長する事業者に共通する資質

中小企業支援家として
さまざまな企業を見てきました。
直接ご支援した会社もあれば、
地域で見かけただけの会社もあります。
成長する事業者に共通する資質とは何でしょうか?

自らリスクを取っているか

事業を成長させている事業者は
自らリスクを取り、
成長に賭けて投資を実施しています。

どの事業分野に取り組むのかはもちろん、
どのように資金調達するのかも
リスクゼロの経営判断はあり得ません。
一定のリスクを覚悟した上で決断しています。

ある経営者から教えていただいたのは

・若くして独立した際に
大手が手掛けない事業分野に絞り込んだ

・工作機械を手に入れるためには
リスクある相手との取引も辞さなかった

・一定の成功を収めた後に
勇気を出して新規事業に取り組み
さらなる成長に繋がった

・創業当初は銀行にいじめられたが
我慢して付き合って融資を引き出した

といったストーリーです。

後から振り返れば
すべてが成功体験のように見えてしまいますが
当時の経営者は常に綱渡りをしている気分だったそう。

自分の夢を実現し、
事業を成長させて社会に価値を提供するために
眠れない夜を過ごしながらも邁進したそうです。

補助金に依存すると抜け出せなくなる

反対に成長しない事業者は
行政の補助や制度に過度に依存しようとします。
「使えるものは使えば良い」のですが、
いつまでも依存し続けると
自立する機会を逸することになります。

そうした経営者に共通する言葉は
「何か良い補助金はないですか?」
「次に何をすれば良いか教えてください」
「コロナのせいで売上が下がっています」
といったもの。

自分で事業を推し進め、
顧客を増やしていこうという思考に欠けるのです。

「何か良い補助金はないですか?」

補助金は適切に利用すれば
事業を成長させてくれる起爆剤になり得ます。

一方で補助金前提の事業運営を続けていると、
常に新しい補助金を探し続けることになり、
いつしか、
「補助金をもらうためには何をすれば良いか」
という本末転倒の思考に陥ってしまいます。

一度この思考に陥ると抜け出すことは困難。
商品やサービスを磨き上げることを怠り、
見込客を顧客に、顧客をファンに育てていないので
負のスパイラルから脱出できなくなってしまうのです。

補助金はあくまで補助。
特定の時期に、特定の用途でのみ使いましょう。

「次に何をすれば良いか教えてください」

支援機関が用意するメニューの一つに、
様々な相談窓口や専門家派遣制度があります。
自社で人材を抱えきらない地方中小企業には
外部の知見を導入する貴重な制度です。

しかし、専門家に頼りすぎてしまうと、
自社の思考能力を奪うことになりかねません。

何をするかしないかを決めるのは経営判断であって、
外部の専門家が決めることではありません。
経営者が大きな方針を決めた後に、
必要であれば専門家の意見を聞く、
それくらいのつもりで利用したいものです。

また今どき、
ネットを駆使すれば大抵のことは調べられます。
本当にその専門家に頼らねばいけないのか。
常に自問自答しながら頼るくらいでちょうど良いのです。

「コロナのせいで売上が下がっています」

未だに業績不振をコロナのせいにし続ける人がいます。
実際に手痛いダメージを負ったのは確かでしょうが、
一方でピンチをチャンスに変えて成長した会社があるのも事実。

一時期は交付金等がばらまかれ、
その支給要件には
コロナによる売上減少などが盛り込まれていました。

しかしそれはあくまで何十年かに一回の緊急事態だからです。
嘆いていたところで、
救済されるタイミングはすでに去っています。

事業を存続させていくために必要なのは
商品・サービスを価値あるものにし、
顧客を自ら見つけて届けていくこと。

覚悟を持って行動しないことには
結果を生み出すことはできないのです。

山に続く階段

階段は自分の足で登るしかないのです

まとめ

補助金や専門家に依存したり、
現状を嘆いたりしたところで
事業を成長させることはできません。

成長する事業者に共通するのは
自らリスクを取り、
行動し続けていることです。

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