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商いのヒント

【商いのヒント008】挑戦を評価するのは唯一、消費者

    西日本新聞に寄稿した中小企業支援に関するコラムです。


    【商いのヒント エヌビズの支援事例から⑧】

    新しい事業のアイデアをふと思いついた時に、具体的な一歩を踏み出すことができる人はどれだけいるでしょう。今回ご紹介するのは、まったく畑違いの分野で新商品開発をスタートさせたコンサルタント業「プラスアルファ」(直方市)の高嶋正治さんによる取り組み事例です。

    「スマホを収納するポケット付きのパンツを開発したい」-。高嶋さんが相談に来たのは2019年5月。それまでも当センターを利用され、中小企業の事業承継などについて意見交換をしてきた間柄でした。ところが、その日の話はこれまでの事業とはまったく関係のないものでした。

    山笠など地域の祭りが大好きな高嶋さん。飲み会や祭りの最中などに動き回り、眼鏡やスマホを置き忘れることが度々あったそうです。また、旅先でスマホを紛失してしまうことも。「もうスマホを失くしたくない!」という強い思いと自らの反省が商品開発のきっかけとのことでした。

    自身で慣れない縫製作業を行って試作を重ね、ポケットの位置をふくらはぎのあたりに決めました。エヌビズからの提案で特許も申請。せっかくの大事なアイデアを保護する配慮も怠りませんでした。

    テストマーケティングの舞台に選んだのはクラウドファンディングです。ネット経由で不特定多数の人に商品の魅力と世界観を伝え、購買に至るかを探ることが目的でした。20年3月のリリースで目標の4倍の資金と、購入者からの大きな反響を得た高嶋さんは、改善の声を生かして21年4月に第2弾となる春夏パンツを発表。185人のサポーターと目標の12倍となる240万円を超える資金を集めました。

    高嶋さんは当センターとの取り組みについて「私の突拍子もない考えをいつも聞いてもらい感謝しています。企画から商品開発、マーケティングの進め方など的確なアドバイスがもらえました」と振り返っています。

    誰しも人生は1回きり。その人生で実現したい夢やアイデアを持つことができるのは幸せなことです。今回ご紹介した高嶋さんも「思いついたアイデアを具体化したい」と当センターを利用し、大きな一歩を踏み出しました。

    私は基本的に事業者のアイデアの良しあしは判断しません。なぜなら挑戦を評価するのは唯一、消費者だからです。一方通行のコンサルティングを行うのではなく、商いを通して、事業者の思いを消費者に届けるお手伝いをしています。

    西日本新聞 商いのヒント 挑戦を評価するのは唯一、消費者

    西日本新聞 商いのヒント 挑戦を評価するのは唯一、消費者

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