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商いのヒント

【商いのヒント002】「今より良くなりたい」実現に苦闘

    西日本新聞に寄稿した中小企業支援に関するコラムです。


    【商いのヒント エヌビズの支援事例から②】

    4月が始まりました。職場や学校で、新たな出会いに胸を膨らませている方も多いことでしょう。私がセンター長を務める事業相談窓口「直鞍ビジネス支援センター」も5回目の春を迎えました。

    私のこれまでの社会人人生は前半と後半に分けることができます。前半は家業の茶わん屋に就職し、営業職などを経て、父の代わりに代表取締役を務めた30代終わりまでです。後半の始まりは、新聞に掲載された求人広告で直方市が設置しようとしている同センターについて知った2016年の夏でした。

    私は商いの基本を全て家業の株式会社「たち吉」(京都市)から教えてもらいました。店頭での接客や法人営業の厳しさと楽しさ、さらには多くの方と関係性を築くことの重要性を学びました。

    その後、業績が悪化し続けていた同社の代表取締役になり、全国を飛び回る日々が始まりました。今でも記憶に残っている瞬間があります。福岡で百貨店の視察を終え、博多駅から飛び乗った山陽新幹線。車窓を眺めながら「いつかこのあたりで働くこともあるのだろうか」などとぼんやり考えたのは、後から振り返ると新幹線が遠賀川を駆け抜けていた時でした。

    負債を整理し、投資ファンドに事業譲渡したと同時に経営から退いた私は、次の社会人人生で何をしようか考えていました。そんなある日、ふと目にした新聞に、同センターの求人広告が掲載されていたのです。「これだ」と感じて応募するのに迷いはありませんでした。直方に導かれるように応募したことを昨日のように思い出します。

    家業で学んだ「商いの心」を地域の中小企業や個人事業主、創業を志す方の役に立てたい。そんな「想い」を応募書類に記載し、面接を経て、多くの応募者の中から選んでいただくことができました。当初の2年間は単身赴任。19年春からは妻と子どもも直方に呼び寄せています。

    開設以来、のべ2200件以上の相談を承ってきました。日々の相談を通して売上アップのための提案をおこない、相談者の「今より良くなりたい」という思いを少しでも実現するために苦闘している日々が続いています。こちらのスペースをお借りして、地域の事業者が生き生きと商売を行い、夢を実現していく姿をお伝えしたいと考えています。

    西日本新聞 商いのヒント 「今より良くないたい」実現に苦闘

    西日本新聞 商いのヒント 「今より良くないたい」実現に苦闘

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