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商いのヒント

【商いのヒント001】新商品の価値に地域性と社会性を付加

    西日本新聞に寄稿した中小企業支援に関するコラムです。


    【商いのヒント エヌビズの支援事例から①】

    福岡県直方市にある直鞍ビジネス支援センター(エヌビズ)は、市産業振興アクションプランに基づき、2017年1月に設置されました。直方市を中心とし、宮若市、鞍手町、小竹町を主な相談対応エリアとしています。

    自己紹介の前にどういった活動を行っているのかを実際の支援事例でお伝えします。今回は江戸時代から続く老舗企業である占部大観堂製薬株式会社との取り組み事例です。

    「健康食品では実績があるものの、将来を見据えて新たに一般食品製造事業を手掛けたい」と当センターを訪問されました。その後、社内で試行錯誤の末に誕生したのが「米粉パンケーキミックス」です。

    新商品の完成後に商品のPRを手伝ってほしいと再び、当センターにいらっしゃいました。これまで自社でプレスリリースを発信するなどしたものの、商品の認知度向上に結びつけることできなかったとのことです。

    私がご提案したのは保育園で園児たちがパンケーキを作る試食会を開催し、商品の魅力を伝えることでした。食育への貢献を考えていた会社の考えとも合致し、直ちに実施に向けて動き始めました。

    プレスリリースには「園児が刈り入れた米粉を使用したパンケーキ試食会」というキャッチコピーを入れました。単なる新商品の宣伝ではどなたも興味を持ってくれません。地域の園児との取り組みであることを前面に打ち出し、新商品の持つ価値に地域性と社会性を付け加えました。

    試食会当日はテレビ局と新聞社が取材に入り、保育園は大にぎわいとなりました。パンケーキをほおばる園児たちの笑顔は、新聞や夕方のニュースに大きく取り上げられました。

    反響はすぐにあり、小麦アレルギーの子どもを持つ方から販売場所を尋ねる問い合わせが相次ぎました。会社の担当者からは「お金をかける方法ではなく、自分たちにできる方法でPRできて感謝しています」という言葉をいただきました。

    その後、新商品の米粉パンケーキミックスは年間1万袋売れるまでに成長。コロナ禍でも通販での販売が順調とのことです。江戸時代から続く老舗だからこそしなやかに変化し続けたい。その思いを強くもたれた会社様のお手伝いをさせてもらうことができました。

    直鞍ビジネス支援センターでは地域の事業者の「今より良くなりたい」という思いを実現するためのお手伝いをしています。

    当事務所の所長が西日本新聞に寄稿した中小企業支援に関するコラムです。

    西日本新聞 商いのヒント 「新商品の価値に地域性と社会性を付加」

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