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コラム

地方中小企業の社外取締役に求められるスキルマトリックスとは

    今日は

    地方中小企業の社外取締役に求められるスキルマトリックス

    について書いてみたいと思います。

    スキルマトリックスとは

    それぞれの取締役が持つ経験や技能を可視化し、取締役会が事業を運営するのに適正なメンバー構成になっているかをチェックするものです。

    東京証券取引所は取締役の経験や技能をスキルマトリックスを用いて開示するように求めています。2021年内に開示できない場合はその理由を説明する必要があるともされていますので、投資家への情報提供の1つとして重視していることが読み取れます。

    スキルマトリックスの例

    スキルマトリックスの例

    地方中小企業の社外取締役に必要な3つの項目

    スキルマトリックスの項目は企業が自ら設定することが可能です。では地方中小企業の社外取締役に求められる項目はどのようなものでしょうか。私が特に重要だと考える項目は以下の通りです。

    経営経験

    まったく経営経験の無い方に社外取締役は務まりません。ご自身でどのような事業を営んでいたのか、その事業にどのような理念を持って取り組んでいたのか。地方中小企業のリアルな経営を理解できる人材が必要です。

    財務

    税理士や会計士でなくとも、社外取締役であるからには会社の状況を正確に把握しなくてはなりません。業務執行の経験や資格に裏付けされた財務センスがあるのかを確認しましょう。

    支援経験

    これまでどのような中小企業支援をおこなってきたのか。外部から事業に関わった経験がなければ社外取締役の役割を果たすことは困難です。具体的な中小企業支援経験のある方を社外取締役に選任しましょう。

     

    根拠を得られることが必要

    スキルマトリックスを作成するに当たっては各項目の根拠を把握する必要があります。

    特に社外取締役の場合は、なぜ登用したのかを社内外の関係者に説明するためにも、経験や能力はその根拠を確認し客観的に捉えられるようにしましょう。

    資格は万能ではないが指標としては有用

    特定の資格を保持しているからといって、社外取締役に求められる資質すべてが保証されるわけではありません。しかし、何らかの一定の能力を保持していることは間違いないわけで、スキルマトリックスの根拠として資格の有無を確認するのは有効でしょう。

    具体的な実績を示すことができるか

    ある社外取締役が「地方中小企業の取締役にふさわしい、財務分野の業務遂行能力を保持している」といっても、それがどれだけのものなのか具体的にわかりません。

    それが例えば「売上50億円規模の財務担当者として取引金融機関7行の調整に従事した」と実績が示されると能力の根拠がくっきりと浮かび上がってきます。数字を含んだ実績を確認するようにしましょう。

    豊富な支援事例を提示できるか

    地方中小企業の社外取締役がどのような支援をおこなうことができるのか。それを一番分かりやすく伝えてくれるのは支援事例です。どのような地方中小企業にどのような支援をおこない、どんな効果をもたらすことができたのか。個別具体的な支援事例を持つ人材を社外取締役に選任しましょう。

    「エビデンス」のイメージ画像

    不足しているスキルは社外取締役で補う

    既存取締役のスキルマトリックスを俯瞰して眺め、自社の経営方針と照らし合わせることで不足しているスキル項目が明らかになります。もし不足しているスキル項目があるのなら、社外取締役を積極的に活用して自社の弱点を補いましょう。

    特に社内から昇格した取締役の場合は、年功序列や社内バランスの結果だけで選ばれてしまった方も少なくありません。外部に開示できる各取締役の強みを冷静に把握する必要があります。

    スキルマトリックスを有効に用いれば用いるほど、論理的に取締役会の構成を検討することが可能になります。

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