地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

講演でよくいただく質問と答え

    講演後の質疑応答は楽しみな時間です。
    どのような質問が多いのかご紹介します。

    江戸時代から続く家業の事業譲渡に関して

    ここまで業績が悪化する前に事業構造の転換を図っていればよかったのではないか?

    まったくその通りで、理想は業績のピークであった1990年頃までに、百貨店事業に替わる新しい事業に取り組み始めるべきだった。戦後、大阪高島屋に出店したのを契機に京都の一茶わん屋が大きく成長し、その成功体験があまりに強烈だったために「しなやかに変わり続ける」ことの必要性を理解していなかった。

    たち吉の業績が悪化した経緯は理解したが、和食器業界全体の動向はどうなのか?

    ギフト需要に依存していたのは同業他社も同じだったと理解している。和食器業界全体も1991年が出荷額のピーク(1295億円)で2017年には▲76.3%(306億円)となっている。

    代表取締役在任時に従業員にもっと取り組んでもらいたかったことはあるか?

    特に不満はなかった。私は守りを固める取り組みに注力していた。具体的には3つあり、1.銀行から継続して支援を受けること、2.仕入先から商品を安定して供給してもらうこと、3.困難な状況下でも従業員に働いてもらうこと、だった。日々の営業は担当役員以下の従業員に基本的に任せていた。業績が悪化し続ける中で最後まで事業を存続することができたのも、従業員が現場で歯を食いしばって働いてくれていたからだ。

    利害関係者に嘘をつかないスタンスはいつからなのか?

    生まれてから一度も嘘をつかないどころか、嘘をつきまくってきた人生だ。しかし、社会人が嘘をつかないで仕事に取り組むのは当たり前の事だと思う。嘘をついた瞬間に信用を失うし、その信用は取り戻すことができない。社会人として当たり前の姿勢で仕事をしているまでだ。

    もし業績のピーク時に代表取締役に就任していたら何に取り組むか?

    結果が出ている案件に対して、後付けでいろいろ検討するのにどれだけ意味があるかわからない。しかしあえてお答えするのであれば、業績が上向いているときだからこそ、新しい事業に取り組み始めなくてはならないと考えている。この決断は経営者でなくてはできないと思う。金の卵からの利益に目を奪われるのでは無く、次の金のなる木を胆力を持って育てるのが経営の役割。老舗は祖業にしがみついているから老舗なのではなくて、時代を先取りしてしなやかに変わり続けることができるから老舗として残っている。

    現在の中小企業支援家としての活動に関して

    「支援する側」に転身した後のモチベーションは何か?

    私の提供した知恵とアイデアで成果を出してもらえることがモチベーションになっている。自分が直接、経営に携われないのは率直に言って寂しいが、私のコンサルティングを踏み台にして成果を掴み取ってもらえたときに喜びを感じている。

    支援して成果を生み出す経営者に共通する要素は何か?

    さっさと行動する経営者は結果を出している。成功する経営者はまずは具体的に動き出してから、細かい点を調整したり、必要であれば軌道修正をしている。逆に成果を出すことができない経営者に共通しているのは行動が遅い点。すぐに着手できない理由ばかりを並べ立てたり、100%確実な成果が目の前にないと動こうとしない。

    知恵やアイデアを提供して失敗した事例はないのか?

    私の提案の結果、損失を与えたことを失敗と定義するなら失敗事例は無い。広告費や開発費を膨大に必要とするような提案はしていないからだ。コストのかからない知恵とアイデアを提供し、納得してから着手してもらっている。あくまで実行するのは私ではなく事業者だ。「真の強み」をテコにして、知ってもらうきっかけを作り、消費者から選ばれる仕組み作りを実現することを目指している。

    ○○業界に関する事例はないのか?

    自社の業界と異なるからといって、他業界の成功事例に目をつぶるのは損をしている。他業界の事例であったとしても自社に何らかの形で還元できる要素はあるはず。逆に同業界の事例をそのままコピーしたとしても、表面上なぞっただけでは成功は持続しない。他業界も含めた売上アップの成功事例から、自社で再現できる「要素」「勘所」を見つけ出して欲しい。

    経営者に必要な勉強や資格はあるか?

    資格があれば必ず成功するというわけではない。勉強も同じ。ただし、財務に関しては基礎的な素養は必要。商売の結果は数字で表れるので、その数字を読み解く力は絶対に必要だ。地方中小企業の経営者と話していると、ぞっとするほど数字に弱い方が案外多い。もし勉強する意思があるのなら、簿記3級レベルの知識は身につけたら良いと思う。試験に合格する必要はなくて、あくまで数字の素養を身につけることが目的だ。

    挙手をするスーツを着た人物

    講演後に質問をもらえるのはとてもうれしいです

    質問をいただけるのはうれしい

    講演のあとはいくつか質問をもらえることが多いです。これは率直にうれしいことで、それだけ興味を持って聞いてもらえたのだなと考えています。

    先日の講演では講演80分+質疑応答40分という構成でした。前年の様子から質疑応答の時間を多めに取ることにしました、とご担当者から説明がありました。時間があれば2時間くらいはお話しできるのですが、質疑応答時間を確保するためにメリハリをつけてお話しさせてもらいました。

    また、自分が講演やセミナーを企画する場合は、主催者側にも関わらず、真っ先に質問をさせてもらうことにしています。自分自身が企画しただけにお伺いしたいことも多々ありますし、他の方の質問の呼び水になれたらと考えての行動です。

     

     

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