顧客との関係性を構築する
地方中小企業に多いのが、
売り急ぐあまりに、
顧客との関係性を構築できていないパターンです。
売り込みは何より嫌われる
東日本大震災を契機に、
自己中心的なライフスタイルを卒業し、
誰かの役に立ちたい、社会に貢献したい
と行動し始める人が顕在化しました。
企業に置き換えて考えると、
自己中心的なライフスタイルは
「商品の強引な売り込み」
と言うことができるでしょう。
消費者の意向を満足に聞かずに
商品を闇雲に売ろうとするセールス色の強い行動は、
消費者に何より嫌われるようになってしまいました。
例えば
複合機や投資用マンションなどの電話営業
パソコンメーカーや居酒屋などからのFAX営業
アポ無しで押しかける飛び込み営業
などは最もわかりやすい事例。
顧客名簿を整備しないのは「売りっぱなし」だ
またこのような露骨なセールスまでいかなくても、
今までと同じ営業活動を行っているつもりなのに、
なぜだか売上が下がり続けている企業があります。
こういった企業に共通するのが
・顧客名簿を整備していない
・顧客名簿を利用した活動をおこなっていない
・新規顧客ばかり追い求めている
といった事象です。
顧客名簿を整備していないというのは、
つまり、
売りっぱなしだということです。
その場の売上が立てばそれで良し、
継続してお買い上げいただけるような、
リピート客、さらにはファンへと育てる意識はありません。
また例え顧客名簿があったとしても、
利用するのはせいぜい年賀状かセールの案内程度では、
名簿の真の力を引き出しているとは言えません。
こういった企業は
既存顧客との結びつきが弱いので、
常に新規顧客を探し続けなければ、
売上を増やすどころか
維持することもおぼつかないのです。
この負のループは企業の体力を大きく消耗させます。
顧客と関係性を構築する方法は様々
あらゆる商売の基本は、
消費者の期待値を上回る商品を用意し、
見込客や顧客と関係性を構築し、
長期的な利益を得る仕組みを作ることです。
関係性を構築するには
自分たちが何者であるかを開示し、
個性と世界観に共感してもらうことが必要です。
ある美容室の事例をご紹介しましょう。
コロナ禍で売上が下がってしまったと
相談に来たオーナーにご提案したのは、
「経済的に困窮している子ども向けの無料前髪カット」
を実施することでした。
来店を促すチラシを作るのでもなく、
クーポンや割引券でお得感を打ち出すのでもなく、
ボランティア活動をお勧めしたのです。
この取り組みは新聞各紙に取り上げられました。
その結果何が起こったかというと、
多くの常連さんが、
「コロナ禍でも誰かのためにがんばっている美容室」
に戻ってきてくれたのです。
顧客と関係性を構築する方法は様々です。
何より嫌われるのは、
商品やサービスを「買ってください」と
押しつけること。
そして売りっぱなしにすることです。
この美容室のように、
自分たちが地域に貢献することで、
競合と比べた立ち位置を
明確に独自化することが可能です。
立ち位置が独自化できれば、
競合と価格だけで比べられることはなくなります。
つまり顧客から選ばれる確率が高まるのです。
ぜひ自社の顧客名簿を眺め、
自分たちのお客様が
どういった関係性を望んでいるか
検討してみてください。
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