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コラム

商品の品質は担保されているか

    売り方に逃げるな

    これまでのべ2,600件以上の経営相談をおこなってきています。またその成功事例がメディアで取り上げられた回数は120回を超えています。こうしてささやかに地方中小企業や創業を志す方の応援を続けていると、たまに何か勘違いをされている方も私の所へいらっしゃいます。

    「簡単にできる売り上げの増やし方を教えてくれると聞いた」
    「新聞やテレビで商品を取り上げてもらいたい」
    「(ボロボロの在庫商品を取り出して)これを売る方法を考えてほしい」
    といったような方たちです。

    このような方たちに共通しているのは、総じて「商品やサービスの品質が低い」ということです。極論すれば消費者に選ばれる商品のレベルに達していないものを、魔法の杖を振るって消費者に選んでもらおうとしているのです。

    もちろんこういった方達の商売が成功することはありません。売り方に逃げようとしたところでそもそもの商品が用意できていないのですから。

    信楽焼の狸の置物

    まずは「商品」を用意しましょう

    消費者の期待値を上回る商品を提供する

    私が支援の際に実施することが多い、独自のマーケティング手法(商い系マーケティングと名付けています)は4段階に分かれています。

    ①「真の強み」を可視化する
    ②自分を知ってもらう 〜共感される仕組みを作る〜
    ③情報を発信し続ける 〜顧客に知ってもらう〜
    ④ファンと繋がる、繋がり続ける 〜関係性を構築する〜
    というものです。

    このマーケティング手法の詳細な説明はまた別の機会にさせていただきたいのですが、PRマーケティングをおこなう大前提は、「消費者の期待を上回る価値を提供する商品やサービスを用意していること」です。

    例えば伝統工芸の職人さんに求められるのは「1に商品、2に商品、3も4も5も商品」です。ここで注意しなくてはいけないのは「作品」ではなく「商品」であること。独りよがりな作品ではなく、消費者に選ばれる商品を生み出さなくてはいけないのです。そのためには昔ながらの「作品」をそのまま作り続けるのではなく、今の消費者が求める世界観や価値観を先取りして具現化、つまり「商品」に仕立てる必要があります。

    伝統工芸作品の販売が現在では苦戦しがちであるのは「SNSを上手に使えていない」「きれいな画像を用意できていない」「ホームページの更新ができていない」といった売り方や見せ方に問題があるからではなく、単に現代の消費者が求める世界観と品質の「商品」を提供できていないからです。

    つまり

    商品やサービスの価値 < 消費者の期待する価値

    となってしまっているのです。

    売り手の挑戦を評価するのは唯一、消費者

    SNSやWebサービスで顧客と関係性を築くことが容易になっているからこそ、そもそものクオリティを担保させておくことが重要です。世界観や商品の磨き上げが十分でないのに安直な集客を目指すのは無意味。消費者はその底の浅い売り込みを何よりも嫌います。

    売り手の挑戦を評価するのは唯一、消費者です。消費者の期待を堂々と上回る商品やサービスを用意しましょう。

     

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