資金繰り表を経営者が自ら手を動かして作るメリット
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地方中小企業の経営者とお話ししていると、
資金繰りを意識していない方が多いことに驚かされます。
そもそも資金繰り表を知らない
過去に何度かあったのですが、
事業の状況が思わしくないと相談にいらっしゃる経営者で
自社の資金繰りを把握していない方がいました。
つまり、
事業の売上が急減するなどして
財布の中身が乏しくなってきたから相談に来たものの、
カネの出と入りを把握していないパターンです。
私の場合は、
業績が悪化し続けている家業の経営をしていましたので、
月々の資金繰り表のチェックは重要な業務でした。
数ヶ月先の次月繰り越し欄に▲が見えると、
メイン銀行に支援を要請しなくてはなりません。
どうして資金が足りなくなったのか、
足りない資金は自分たちで作れないのか、
借りた資金をいつどうやって返すつもりなのか。
こんな話を銀行の担当者とすることになります。
事前に財務の担当者が
交渉を済ませてくれていますが、
それでも最後は、
経営者が自分の言葉で語らなければなりません。
話を戻すと、
資金繰り表を見慣れていない経営者さんには、
担当者に任せずに、
ご自分で資金繰り表を作ることをお勧めしています。
自分で資金繰り表を作ってみる
この先数ヶ月の間に、
どのような入金が見込まれるのか、
そしてどんな内容の出金が予定されるのか。
これらを資金繰り表に落とし込んでもらうわけです。
自分で作業することで、
資金繰り表の仕組みはあっという間に身につきます。
要はお小遣い帳と同じですから。
テンプレートは何でも良いのですが、
私の場合は日本政策金融公庫のホームページから
ダウンロードできるものをお勧めしています。
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_chusho.html
資金繰り表のテンプレートは2種あり、
まずは簡易版で十分でしょう。
このExcelファイルに、
お小遣い帳の感覚で、
将来の資金の入出金予定を落とし込んでもらいます。
![電卓とメモ帳と現金](https://sr14th.com/wp-content/uploads/2022/07/23826103_s-300x169.jpg)
資金が厳しくなったら自分で資金繰り表を作ってみましょう
経営者が資金繰り表を作ったらどうなるか
ある理容店のオーナーが、
経営が非常に苦しいと相談にいらっしゃいました。
しかし、よくよくお話しを伺うと、
お金の出と入りを把握出来ていないご様子。
これではいつどれだけ資金が足りないのか、
さらには、
本当に資金が足りなくなるのかもわかりません。
そこで私は、
日本政策金融公庫のテンプレートをA3に印刷し、
次回の相談までに資金繰り表をご自身で
作ってくることを宿題としました。
その結果どうなったかというと、
次回相談にいらした際には、
資金の問題は解決していました。
ご自身で資金繰り表を作った結果、
打つべき対策が見えてきて、
資金が不足しないように手を打てたというのです。
非常時の分析と対策に経営者自身が
まず最前線に立つメリットを示す好事例です。
地方中小企業の経営者が、
日々気にしなくてはいけない資料は多々ありますが、
資金繰りはもっとも基本の資料です。
もし資金繰り表を知らない、
という経営者がいらしたら、
ぜひご自身で
手を動かすところから始めてみてください。