中小企業の経営にも「複利の力」を生かそう
投資をしている方は複利の効果について、よくご存知だと思います。この複利の力はお金だけでなく、中小企業の経営にも重要です。
複利の力
100万円の元手を毎日1%ずつ増やすことができたら、1年後にはいくらになるでしょうか。答えは37,783,434円です。
毎日1%の上積みであっても、利子が利子を呼んで大きな額に膨らんでいくわけで、これが複利の強烈な効果です。
人間の成長にも同じことが言えると思っていますが、一方、ある日突然30倍以上もの知識を身に付けることなどはあり得ません。
毎日コツコツと勉強した結果、ある時我が身を振り返ってみて初めて、成長を実感できるものです。
ただし、注意しなければいけないのが、誤った習慣も同じように時間と労力を消費してしまうということ。
毎日寝る前にスマホをいじる時間が繰り返されると、1年後には37倍の無駄を蓄積してしまうわけです。
中小企業の学び直し
ある顧問先で取り組んでいるのは属人的な仕事を無くし、全員がすべての業務にいつでも関われる体制を作ることです。
普段は担当の仕事に取り組んでいても、繁閑の差や欠員が生じた時に他の業務を進められるようにするイメージ。
ここで気をつけたいのは、全ての従業員に全ての業務を完璧にマスターしてもらうというのではなく、あくまで支障が生じた業務を止めなくて済む程度に内容を把握できておけば十分だということ。
このプロジェクトで重要なのは他の業務を学ぶ時間を確保することです。一度にたくさんの時間を割くのでは日常業務が滞ってしまいます。定期的にコツコツと他業務に関わる時間を作ってもらっています。
ここでも効果を発揮するのは複利の力です。特に学習に関していえば、後半になればなるほど効率が高まります。受験勉強で初めのころに学習のペースを作るのに苦労するのと同じです。
経営にも複利の力を
この複利がもたらす強い力は、経営者の行動にも当てはまるのではないでしょうか。
日々コツコツと利益や信頼関係をつむぎ、その都度得たものを次に生かす。日々の業務に拘束されない経営者だからこそできる業務内容です。
しなやかにそして前向きに行動し続けるのが経営者だとすれば、まさに複利を生み出すのが経営者の動き方のポイントとも言えます。
一足飛びに成果を求めたくなる気持ちをぐっと抑え、毎日半歩でも進み続ける。この積み重ねが経営における「複利の力」を生み出します。
その結果、あるタイミングでふと振り返ると、事業の独自化と成長が成し遂げられていることでしょう。
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