地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

中小企業の経営者は従業員に何を話せばよいか

    経営者によって、
    従業員と話す内容とレベル感に大きな差があるようです。

    経営者の言葉を信じてもらう

    地方中小企業の経営者とお話ししていると、
    従業員との距離感に悩んでいる方が多いように感じます。

    特に情報の伝え方について、
    何をどのように話すべきか、
    わからなくなってしまっているようです。

    そういった経営者に多いのが、例えば
    「社内で労務管理の話をしないようにしている」
    「リアルタイムの業績は伝えていない」
    「資金繰りの状況を伝えるなんてとんでもない」
    といった対応です。

    どういうことかというと、
    労務管理上の重大な問題が発生していたり、
    業績が急速に悪化していたり、
    資金繰りに汲々としている状況、
    つまり、「悪いニュース」を
    従業員には積極的に伝えていないというのです。

    私はこういった対応はまずいと考えています。

    従業員にはごくシビアな内容を除いて、
    経営内容をさらけ出すべきです。

    従業員も現場の状況から、
    会社の置かれている状況を感じ取っています。

    その従業員の感覚と
    経営者の言葉に乖離が生じると、
    状況は混乱してしまいがちです。

    つまり、
    実際よりも悪い状況に置かれていると、
    従業員が勘違いし始めるか、
    逆に、
    実際よりも楽観的な状況にあると
    誤解してしまうのです。

    経営者とその言葉を信じてもらうためにも、
    会社の状況はできるだけ率直に伝えましょう。

    悪いニュースからさっさと伝える

    私の場合は、
    「悪いニュース」であればあるほど、
    従業員にさっさとさらけ出すようにしていました。

    責任を逃れたいというのではなく、
    会社の置かれている状況を、
    同じ肌感覚で共有したかったからです。

    例えば、
    「メイン銀行との対話でこういった厳しい意見が出された」
    「6ヶ月後の資金繰りに余裕が無いので、
    早めに銀行に支援を依頼することにした」
    「役職定年制度を導入したいが、
    評価が悪い人にはこういったことが起こりうる」
    といった感じです。

    ビジネスパーソンのスピーチ

    「悪いニュース」ほど迅速に自分の言葉で伝えましょう

    個別と集合型式の両方で伝える

    さらに伝え方も真正面からです。
    特にシビアな情報は個別面談を実施したのです。

    早期退職制度の募集や、
    それに伴う業績の説明などを行う場合です。

    年度毎の業績の説明も
    当たり障りのない資料を配付して終わりにするのではなく、
    集合形式でおこない、
    基本的にすべての情報をさらけ出していました。

    会社に残ってくれている従業員に隠す必要はありません。

    こうして
    隠し事をしないで情報発信をすると
    社内はどうなるか。

    経営者の発する言葉に、
    従業員が耳を澄ませてくれるようになります。

    従業員に聞こえの良い話ばかりしていても、
    一致団結して事業を推進することはできません。

    たまに飛び込んでくる「悪いニュース」こそ、
    勇気を振り絞って真っ先に伝えることで、
    経営者の信用が高まります。

    少ない資源で経営する地方中小企業の
    持続可能性を高めるためにも必要な姿勢です。

    ■今日の出来事
    乗っていた路線バスが接触事故(物損)を起こしました。

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