地方中小企業の経営者に必要な読書
本には色々ありますが、
ビジネス書以外で教養を深めるのに役立つ本を紹介します。
ガリア戦記
ガリア戦記 (講談社学術文庫)
カエサル (著) 國原 吉之助 (翻訳)
この本をお勧めする理由は2つあり、
・カエサルの簡潔な文章
・カエサルの合理的な思考
をそれぞれ学ぶことができる点です。
私は塩野七生さんの
「ローマ人の物語」を愛読していますが、
あくまで小説。
一方、
ガリア戦記は、
紀元前のカエサル率いるローマ軍の
詳細な戦闘記録です。
私が寄稿する際に気を付けているのは、
文章レトリックやカタカナ語を多用せずに、
簡潔な文章で事実を伝えること。
もう少し具体的に言うと、
中学生でも理解してもらえる文章を
書くようにしています。
そういった簡潔な文章を書くのに、
カエサルの文体は
これ以上ないお手本です。
ちなみにカエサルは、
蓄財には興味を示さなかったものの、
膨大な額の借金をし、
公共事業に投資していたそうです。
貸し手からすると額があまりにも膨大になり、
借り手である、
カエサルの支援をせざるをえなくなっていたとか。
このあたりも、現代の経営者が
銀行との関係性構築を考える際に
深く示唆するところがあります。
岩波現代短歌辞典
岩波 現代短歌辞典(岩波書店)
岡井 隆 (著), 三枝 昂之 (著)
短歌は31文字の中に100文字以上の
想いを凝縮できると言われています。
地方中小企業の情報発信担当者は
短歌を参考にするべきだと思っていて、
理由は、
余計な文字を削ぎ落として、
想いを伝えることを学べるからです。
ところで、消費者に何より嫌われるのは、
一方的なコミュニケーション。
具体的には、
自社の商品の押し売りです。
自分はセールス電話を相手にしないのに、
自社の商品のこととなると、
闇雲に「買ってください」と連呼していないでしょうか。
そういった会社に必要なのは、
見込客から自然と選んでもらえるような
関係性の構築を先に行うことです。
そのためには
自分たちが何者であるかを開示しなくてはなりません。
つまり、日頃からの情報発信が必要なのです。
短歌には日常の出来事や
その時の感情を伝える力があります。
何でもないように見える言葉が強く響いてきたり、
他の意味を連想させたりする短歌。
地方中小企業の情報発信を充実させるには
短歌から学べることがたくさんあります。
ビジネス書に振り回されるな
世の中にはビジネス書が溢れています。
率直に言って、玉石混交。
私はビジネス書を読みあさるのを否定しませんが、
ぜひ他の分野にも視野を広げて欲しいと思います。
経営者に必要な資質の1つは、
教養=リベラルアーツから学ぶ姿勢
です。
ビジネス書に限らず、
多様な分野からの読書経験で
心の豊かさ、物事に対する理解力を
高めていきたいものです。
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