地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

050-3557-7157

コラム

地方中小企業の経営者に求められる「数字で語る」スキル

    会計、つまりカネ勘定が苦手だという経営者は
    案外多いのかもしれません。

    数字を把握していない経営者

    5年間で2,600件以上の
    個別経営相談を行ってきましたが、
    自社の状況を
    数字で語れる経営者は少ないです。

    例えば
    ・前月の売上
    ・主力商品の利益率
    ・在庫の金額
    などを尋ねたときに、
    ズバッと答えられないのです。

    私のコンサルティングは、
    数字の話から入ることはありません。

    でも、当然、
    知恵やアイデアを提供するために
    何らかの形で数字の話に
    なることもあるわけです。

    その時に、
    数字で語れない経営者さんは、
    どうしても動き出しが遅れてしまいます。
    数字=事実をその場で確認できないので。

    私の場合は、
    自社の数字を丸暗記はできないので、
    手帳(ほぼ日手帳weeks)に、
    主要な数字を書き写していました。

    他には、
    ・従業員の入社年次
    ・仕入先との取引金額
    ・借入金の内訳
    とかも貼り付けていました。

    すべて暗記する必要はないと思っていて、
    必要なときに
    いつでも引き出せるようにしておくのが
    重要だと思います。

    銀行担当者と話すときの準備

    取引金融機関の担当者と話す際に、
    どのようなことに気を付けていますか?

    私は
    「数字で語る」
    ことを意識していました。

    定性的なことばかりを話すのではなく、
    会社の状況をリアルな数字で
    語れるように準備をしていました。

    この時も丸暗記はしません。
    事前に箇条書きでメモを作成していました。

    例えば
    ・○○店の前月の売上は○○万円で、
    これの要因は〜〜だった。
    ・仕入先○○商店からの仕入が○○万円増えた。
    それの要因は〜〜だからだ。
    ・来月出店予定の新店は
    ○ヶ月で投資を回収したい。
    そのためには〜〜といった工夫をした。
    といった感じです。

    大した内容ではないので、
    メモを作る過程で頭に入ってしまいます。

    銀行担当者と話す際に、
    上着の内ポケットにメモは入れていますが、
    そのメモを見ながら話すことは、
    ほとんどなかったように記憶しています。

    業績の悪い会社でしたので、
    融資を受けられていることは、すなわち、
    金融機関から支援(応援)されているということです。

    その支援に対し、
    数字で状況を説明し、
    「経営者としてきちんと状況を把握していますよ」
    というサインを出すのは重要です。

    電卓で計算するサラリーマン

    自分なりに工夫して、数字で語れるようになりましょう

    経理係の初日に渡された本

    代表取締役に就任する直前、
    8ヶ月ほど経理の仕事をしていました。

    その着任初日に
    上司から渡された本があります。

    「稲盛和夫の実学―経営と会計」で
    裏表紙には
    「儲けとは、値決めとは、お金とは、実は何なのか」
    と書かれている、会計の実務書です。

    私はこの本を読んで初めて、
    「会社が儲けた現金がどこにどのように存在するのか」
    を把握する必要性を理解しました。

    その後、私が中小企業支援家に転身し、
    冒頭のような、
    数字に苦手意識を持っている経営者の方には、
    この本を読むようにお勧めしています。

    関連記事

    TOP