地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

経営者としての役割を自覚する

    経営は一代で終わるものではありません、
    時代へ引き継いでいくものです。

    江戸時代から続く家業を引き継いだ私の役割

    私の場合は、
    長年、業績が悪化していた家業の立て直しが、
    後継者としての当初の役割でした。

    その後、自力での再生は困難と判断し、
    過去からの負債を整理して
    事業を存続させることに注力しました。

    一言で言うと、
    投資ファンドへの第三者承継を行ったわけです。

    ただし、単に経営権を放り投げたわけではなくて、
    歴代の経営者で最も多くの資金を生み出し、
    家業の整理を実現することができました。

    このあたりの使命感は、
    雇用されている立場のビジネスパーソンには
    全くご理解いただけないと思います。

    一方、
    地方中小企業の経営者や
    その後継者には共感してもらえる部分ではあります。
    たぶん。

    自分の役割を定義する

    何が言いたいかというと、
    経営者の役割は
    狭義の商売をすることだけではありません。

    変わり続ける外部環境の中で、
    その瞬間、
    経営を任されている当事者として、
    果たすべき役割を果たす。

    その役割は攻めの場合もあれば
    守りの場合もあって、
    ひょっとしたら撤退戦の場合もあります。

    経営者が次の経営者に引き継ぐまでの時間は、
    無限ではなく限られています。

    短ければ私のように数年、
    長ければ数十年。

    それでも会社が永続することを考えれば、
    時間が限られていることに間違いありません。

    自分の任期中に果たすべき役割は何か。
    まずは自分で定義することが必要です。

    ここができていないとどうなるか。

    例えば
    ・従業員と同じ仕事に忙殺される
    ・資金繰りを回すことに汲々とする
    ・同じ事業に固執して衰退する
    みたいになってしまうことが考えられます。

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    経営は引き継いでいくものです

    自分の役割を探す

    雇用されている立場と違って、
    経営者の時間の使い方は自由です。

    自分の役割を探すのに有効なのは
    ・本を読む
    ・人に会う
    ・歴史を知る
    だと考えています。

    経営者に必要なのは、
    会計の知識やコミュニケーション能力よりもまず、
    リベラルアーツ。思考のベースとなる教養です。
    教養を身につけるには読書は有効な手段の一つです。

    次に、社外の人と会うこと。
    社内の同質性の高いメンバーとだけ話していては、
    知らず知らずのうちに思考が偏ってしまいます。

    業務と全く関係ない、
    社外の人と緩い関係性を保つことで、
    しなやかに変わり続けるための刺激を得られます。

    最後に歴史から学ぶこと。
    社内の資料、取締役会議事録などからは
    会社の歩んできた道を知ることができます。

    特に家業の場合は、
    知っているようで知らないことが多いものです。

    また世界史や日本史からは
    人間の行動とその結果の現実を学べます。

    私が社内にいる後継者候補=アトツギの方に
    特におすすめしているのは、
    一度、日常の業務から離れること。

    来るべき自分の出番で果たすべき役割は何か。
    じっくりと考える時間を持って欲しいからです。

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