中小企業の経営者は人生にも「プランB」を持て
地方中小企業を経営していると、
自分ばかりが苦労しているように思いがちです。
必ずしも「成功」ばかりではない
ビジネス書や新聞を読んでいると、
「こうやって売上アップした」
「こうしてM&Aを成功させた」
「後継者がこのように事業転換を成し遂げた」
みたな記事ばかりが目につきます。
ところが地方中小企業の経営は
成功ばかりではなくて、
やむを得ず廃業を選んだり、
資金繰りに窮して、
事業を畳まざるを得なくなることもあります。
こういった、
失敗体験というのはなかなか表に出てこないわけで、
経営=成功させるのが当たり前
みたいな誤解を生じているように感じます。
投資ファンドも経営に苦労している
私が家業を事業譲渡した投資ファンドも、
経営に苦労していると聞きます。
事業譲渡のタイミングで、
彼らの好きなような形で
経営を引き継いだわけですが、
その後、売上は下がり続けているそうです。
投資ファンドと聞くと、
それこそ金融と経営のプロの集まりで、
地方中小企業の経営なんて、
余裕でこなしてしまうイメージです。
しかし、
実際には投資ファンドですら、
地方中小企業の経営には
非常に苦労しているわけです。
経営は成功するばかりではありません。
この当たり前がなかなか理解されないのは、
経営経験者にとっては非常にマイナスです。
失敗の質にもいろいろあるわけで、
悪意を持って不祥事を引き起こしてしまったり、
消費者の期待を裏切り続けるような商売をしてしまったら、
次のチャンスはなかなか得られないでしょう。
しかし、
次に繋がる経営の失敗というのもあるはずで、
経営経験者の失敗経験も貴重なスキルとして
評価してもらえる世の中になってほしいなと思っています。
人生にプランBを持て
真面目な経営者ほど、
会社と自身の体力のギリギリまで追い込んで、
経営に人生を捧げてしまうのではないでしょうか。
しかし、
その後も人生は続いていきます。
経営が成功するか失敗するかは、
経営者の努力だけで決まるものではありません。
仮に、
残念な結果になってしまったとしても、
第二の人生を豊かなものにできるように、
プランBを持っておくことは重要です。
私の場合は、
プランBなど持っていなかったので、
流されるようにして今の仕事に就いています。
まさに結果オーライでしたが、
どこかで歯車がかみ合っていなかったら、
どうなっていただろうかと考える時もあります。
プランBを意識した訳ではありませんでしたが、
私は社会保険労務士の資格を取っていました。
また実は大型2種の免許も持っています。
こういった資格が、
必ずしも何かを保証してくれるわけではありませんが、
プランBの選択肢を増やしてくれるのは間違いありません。
成功体験ばかりが目につく世の中ですが、
失敗体験をしている経営者の方がはるかに数は多いはず。
その失敗体験をご自身の資産になるようにし、
第二の社会人人生でご活躍いただきたいです。
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