取締役会に「顧客の声」は届いているか
私が社外取締役や顧問に就任し、
まず初めに取り組むことがあります
事務的な調整
取締役会担当者や、
他取締役との連絡手段を確保します。
まれに契約当初の連絡手段である、
メールだけで連絡が続く場合がありますが、
時に緊急対応が必要な取締役会メンバーになったからには、
通常時の連絡手段はもちろん、
個人携帯、緊急時の連絡先も
きちんと共有しておく必要があります。
通常時の連絡手段は、
グループウェアの場合もありますし、
チャットツールの場合もあるでしょう。
個人のLINEは会社として
後に記録が残らないので余りお勧めしません。
「顧客の声」のリサーチ
以上が前にも書いたことのある、
事務的な調整です。
次に行うことが多いのが、
「顧客の声」のリサーチです。
自社の顧客からどのような声を得られているのか。
そもそも顧客の声を集める仕組みができているのか。
集めていたとしてもトップに届いているのか。
当たり前のように事業を継続していると、
基本的な部分が流されてしまっている中小企業が多いです。
月次決算の遅さだとか、
労務管理の甘さだとか、
そういったところです。
その中でも、
仕入先や消費者の声が、
取締役会メンバーに届かなくなっていることも、
よく見受けられる現象の一つです。
プロパー取締役の皆さんは、
同質性の高い組織に長年所属してきたので、
わざわざ改めて確認しなくても、
自社に届く顧客の声を理解しているつもりなのでしょう。
しかし、
顧客との関係性は遠くなったり近くなったり、
常に変動し続けるものです。
その変化の兆候を見つけ出すためにも、
顧客の声を確認し続けるのは重要なことです。
ファンとの関係性を強化する
ある顧問先でこんなことがありました。
私が関与を始めると同時に、
ブランド委員会を立ち上げて
リブランディング作業を始めました。
その過程で、
メンバーに依頼したのは「顧客の声」の収集。
案の定、体系立てて集める仕組みや、
取締役会メンバーに届ける仕組みは構築されておらず、
各部署にバラバラに集積されるデータを
この機会に取りまとめてもらうことになりました。
結果、何が判ったかというと、
・熱心なファンが相当数存在している
・しかもそのファンは、
商品の世界観を共有できるコミュニティを求めている
ということが判明しました。
これまで会社では、
熱心なファンに支えられている自覚はあったものの、
そのファンの期待に応えられていない、
漠然としたモヤモヤを抱えていました。
しかし、
自社の中に隠れていた「顧客の声」を分析することで、
ファンとの関係性を、
より強固なものにするきっかけを得られました。
このあと、
商品をただ闇雲に売ろうとするのではなく、
熱心なファンの求めるコミュニティ作りを、
リブランディングの中核に据えたのはいうまでもありません。
■今日の出来事
息子の眼鏡を調整してもらったところ、
度数が変化しているということで
新しいレンズを発注してきました。
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