顧客の声を生かす
お客様からの感想やコメントを上手に使えていますか?
スペックだけを伝えても売れない
地方中小企業のECサイトでありがちなのが、
サイズや価格などの
数字のスペックだけを伝えているケース。
サイズや価格はもちろん必要な情報です。
でもそれだけでは、
消費者の心を揺さぶり、
買い物ボタンを押させることはできません。
消費者が求めているのは、
その買い物をすることによって、
「今より幸せになる」ことです。
その未来を想像させるような情報を
サイズや価格に付け加えて伝えることで、
消費者は商品やサービスに共感し、
購入を決めてくれます。
もし、
スペックしか伝えていなかったらどうなるか。
数字の大小だけで判断する消費者が、
顧客名簿に名を連ねることになるでしょう。
例えば、
価格だけを比べようとする顧客は、
1円でも他社の方が安ければ、
すぐに乗り換えてしまいます。
そういった顧客は、
会社に長期的な利益を与えてくれる、
熱心なファンとは対極の存在です。
顧客の声は資産
では具体的にどういった情報を伝えればいいのか。
もっとも価値があるのは、
「顧客の声」です。
商品やサービスを実際に購入し、
その感想や感触を教えてくれる、
顧客のコメントです。
事業者が自社の商品やサービスの良さを
どれだけ自分の言葉で伝えようとしても、
そこに漂うセールス臭をゼロにすることはできません。
そして、セールス臭は何より嫌われます。
一方、
顧客の声は同じ消費者の客観的なコメントです。
この顧客の声の中から、
商品やサービスがもたらす、
「今より幸せになった」姿を抜き出しましょう。
そして、
サイズや価格などのスペック情報に加えて、
顧客の声を消費者に開示しましょう。
すると、
消費者は顧客の声を参考に、
自分の思い描く「幸せ」を
もたらしてくれる商品なのかどうか判断します。
以下は私の講演に寄せられた感想です。
いくら自分でPRしたところで、
顧客の生の声にはかないません。
そのため私はこのように顧客の声を取りまとめ、
自己紹介代わりにご紹介するようにしています。
私の講演を聴いた方からの感想をご紹介します。 ・事業譲渡をされた方の貴重なお話をお伺いすることが出来ました。今回の事例を学ぶことで、経営上してはいけないことが理解できたと思います。 ・今まで成功体験などのうまくいっていた、うまくいった話が多かったが、今回のような体験談を聞けて良かった。 ・ピン…
私の講演を聴いた方からの感想をご紹介します。 ・嘘をつかない正直経営が、顧客の信頼を得ることを学ばせていただきました。 ・話の内容に重みが感じられ、良い経験であった。当社のグループと背景がリンクする部分もあり興味深かった。 ・業績が悪くなってからの、事業計画の立案や金融機関とのやり…
注意点は「やらせ」は必ず見抜かれます。
今の消費者は売る側の醸し出す違和感に非常に敏感です。
顧客の声をねつ造するのは絶対NG。
念のため言い添えておきます。
顧客の声を集める仕組み作り
顧客名簿と同じように、
実際に購入してくれた方の声は貴重な資産です。
ネット販売の場合に限らず、
売場やパソコンの中に、
顧客の声が埋もれていないでしょうか。
売上の報告ばかりを求めて、
もっと価値のある、
顧客の声を見落としていないでしょうか。
私が相談を受けていてよくあるパターンが
「そういえば昔のアンケートが残っているはず」
「顧客から感謝の手紙が届くが何にも使っていない」
といったものです。
すでに手元にある資産に気付いていないのです。
これは非常にもったいないことです。
また、
「顧客の声」といっても種類は様々。
・店頭での接客中に交わされる会話
・ネット販売のレビュー
・後日送られてくるお礼状
などが考えられます。
もちろん、
お叱りの言葉も貴重な資産。
・品質に関するクレーム
・接客に対するお叱りの言葉
・品揃えに対する不満
これらも見て見ぬ振りをせずに、
収集したいものです。
「顧客の声は資産」、
この考えを経営から現場まで
一貫して浸透できれば経営力は強くなります。
売上情報を集計する仕組みは
どの会社も持っているでしょう。
それと同じように、
顧客の声を集める仕組みも必要なのです。
そして、
数字のスペックだけを伝えるのではなく、
商品により共感してもらうために、
収集した顧客の声を活用しましょう。
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