講演の前日にすること

年に数回だけ人前でお話しする仕事があります。ちょうど明日がその日で、今日はこのあと大阪へ移動することにしています。
明日は人前で話す仕事
明日は人前で話す仕事です。江戸時代から続く家業を投資ファンドへ事業譲渡した経験を、地域企業の幹部候補にお話しします。例の流行病の前からいただいている仕事で、毎年呼んでもらえるというのはありがたいことです。以前に担当者さんからは「リアルな失敗体験を話せる人はなかなかいない」とおっしゃってもらえました。
人は自分の失敗を本能的に隠そうとするものです。それは私も同じですが、家業のことについてはそもそも隠しおおせるものではないし、それならば現役経営者の方の学びにしてほしいと願って積極的にお伝えすることにしています。家業を倒産させた経験なんて好きで話しているわけでは無くて、せめてどなたかの役に立つのであればあの苦しかった日々も報われるだろうと考えているのです。
毎年話している内容は基本的に同じですが、スライドは微調整を重ねています。その時々の反応や自分の話しぶりを踏まえて、順番を入れ替えたり、文言を調整したりしています。その積み重ねで今のコンテンツがあり、一朝一夕に準備できるものではありません。気を付けているのが事実を伝えるということ。もう10年以上前の出来事なので記憶が怪しくなり、さらには自分にとって都合のよい内容に書き換えられているかもしれません。そうした要素をできるだけ排除して事実をきちんとお伝えするように心掛けています。
今年はこれまでと違うこともお話ししなければいけません。私が来月から商売の現場に戻ることについてです。社名等はまだ伝えられませんが、江戸時代から続く家業を投資ファンドへ事業譲渡した後に中小企業支援家に転身し、8年半後にまた商売の現場へ戻ることになったと報告します。毎年聞いていただいている担当者さんも喜んでくれるのではないかと思っています。
世の中には中小企業を支援しようとする専門家らしき人々が多くいます。本当に貢献している人もいれば、中には教科書に書いてあるようなことをもっともらしく話すだけの人も。私もこれまでは自分の経験を踏まえて地に足を着けた支援を実施してきたつもりですが、そろそろ商売の現場に戻らないと勘が鈍ってしまうような恐怖感を抱いています。社長をしていたのがほぼ5年、中小企業支援に携わったのが8年半。商売の現場に戻るのはギリギリのタイミングだったとも考えています。
パワポ資料のバックアップ
講演の前日にはパワポ資料のバックアップを取るようにしています。せっかく資料を作成したのに消失してしまったら大変なことです。USBメモリとクラウドにバックアップを取っておき、万一データが消えたり、MacBookが壊れても何ら問題なく講演ができるようにしています。
このところサイバー攻撃の被害が報道されていますが、地方中小企業も他人事ではありません。顧問先の経営者さんへは、まずは自社データのバックアップ体制を把握するように提案を続けています。この話をしたときに「大丈夫です」と言い切れる人はあまりおらず、おそらくほとんどの経営者はどのような体制になっているか把握出来ていないように感じています。顧客データや商品データはまさに資産そのもの。万一失われてしまうと過去の知見を忘れてしまうのと同じことです。
もう一つ大事なのが、主催者にパワポ資料のデータを渡さないこと。配布用資料のデータは渡すことがありますが、あくまで配布用の内容に限定していて万一流出しても問題ないレベルの内容だけにしています。以前に対外厳秘に資料をお渡ししたところ見事に流出させられてしまったことがあり、それ以来、データの取り扱いには慎重になっています。

パワポ資料のバックアップは必須です
担当者への前日確認
ちょうど先ほど、講演の担当者さんへ前日確認のメールを送ったところです。事前にどれだけ打ち合わせをしていても、間違いというのは起こり得ます。トラブルを少しでも抑止するための一つの手段として前日に連絡するようにしています。
ちなみに今日は夕方から大阪へ移動し友人と食事。その後に会場内の宿泊施設へ泊まらせてもらうことになっています。去年は別のホテルだったので朝の移動が大変でした。今年はチェックアウトしたらすぐに会場へ入れるので気持ちに余裕が持てます。
講演後は余裕があれば京都へ行くつもり。駆け足になりそうですが墓参りができたらうれしいです。
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