言葉を紡ぎ、文字を書く

自分の言葉で発信するというのは、(初めのうちだけ)勇気がいるものです。
メルマガのコラム
あるグループ向けに配信しているメルマガで、秋から働き方が変わることを改めてお伝えしました。といっても末尾に載せているコラムに数行書いただけ。メインのコンテンツは別にあるので、それとは別に最後まで目を通してくれた方だけに伝われば良いと考えました。
配信してまもなく、ある経営者さんから電話が掛かってきました。メルマガを読んで驚いたとわざわざ連絡してきてくれました。メルマガは一方通行の発信になりやすいので、こうして反応をいただけるとうれしいものです。近日中にお会いしましょうと約束しました。
今時、メルマガという媒体は古臭く思われがちです。しかし、コンテンツの用意と自己開示さえできれば今でも強力な発信力があるのは私自身が体感しているところです。経営者はもちろん、特定のグループを主宰しているような人がいたら、従業員やメンバーとの関係性を深めるのにお勧めの媒体です。
注意しなければいけないのは、検索すれば出てくるような情報だけを載せていたらゴミ箱に直行するということ。私のようにコラムを載せるなどして、メルマガでしか読めない価値を付加できれば高い開封率を維持できるでしょう。ちなみに私がメルマガに載せているコラムはこのブログ記事を流用しているもの。ベースとなる媒体で言葉を紡いでいるので、メルマガの配信を負担感なく続けられています。
オンラインペン字講座
一年くらい前からオンラインペン字講座を続けています。課題をLINEで送ると、先生が添削の様子を動画で送り返してくれるというもの。名前、住所、ひらがな、カタカナから始まり、最近は毎月送られてくる課題を書いています。今日提出したのは、行書で「生麦 生米 生卵」と書くもの。お手本の「生」の崩し方がそれぞれ違っていて勉強になりました。
私はとても字が汚くてコンプレックスを通り越して開き直っているくらいでしたが、この頃では以前を知る人から字がきれいになったと褒められることもあります。休んだ日もあるのでこれまで300回ぐらい添削していただいたでしょうか。書き続けていれば、多少は改善されるものだと実感しています。
最近では打ち合わせや会議で、メモを取りながら字を書く練習をするテクニックを編み出しました。関係無い字を書いて内職をしているわけではなくて、会議の内容をこれまで殴り書きしていたのを丁寧に書くようにするだけです。会議に参加しながら字の練習もできるので一石二鳥。集中力も増すような気がしています。

経営者の言葉は新聞の社説のようなものです
新聞の社説のようなもの
ある顧問先の会議の資料を見せてもらいました。載せられていたのは数字に関することばかり。予算がどうとか、売り上げがどうとか。これで従業員の心が躍るのかというと、逆に「また数字の話か」とうんざりする様子が思い浮かんでしまいます。
経営者は事あるごとにビジョンを語らなければいけません。数字の話をする時も同じ。最初になぜその数字が必要なのかをビジョンから紐解いて説明しなくてはいけません。
会議の資料で売り上げを求めるのであれば、経営者の文章も載せたらより心に残るようになるでしょう。従業員のお尻を叩くだけで数字が伸びることはありません。何のために事業を営んでいて、どこを目指しているのか。繰り返しビジョンを語ることで、従業員は納得して働いてくれるようになります。
今時はスマホ一台で録音や録画が可能です。経営者の声を届けるのに便利な時代になりました。ある顧問先では社長が参加する本社の朝礼の様子を録音して、グループウェアで配信するように提案しました。社長が話す言葉を本社だけに留める理由はないので、全社に共有しようという試みです。やるかやらないかは会社が決めることですが、「売り上げを作れ」なんて管理職を詰めるよりはよほど効果を実感できることでしょう。
経営者の言葉は新聞に置き換えたら社説のようなものです。社説がなくてもしばらくのうちは誰も気づきませんが、そのうちに「軸」が存在しない違和感が読者に伝わります。経営者は「自分の考えはわかってくれているはず」という思い込みを捨てて、積極的に言葉を紡ぐ必要があります。
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