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コラム

士業マーケティング 高い報酬を得るには

せっかく独立開業したのであれば、雇われていた時よりも稼ぎたいもの。高い報酬を得るにはどうすれば良いでしょうか。

安さは正義ではない

ある創業まもない企業は独自の技術を実装したサービスを提供しています。さっそくいくつかの取引先へ納入しているのですが、価格設定があまりにも安すぎました。経営者が「最初のうちは安く設定し、まずは広く認知してもらう」と考えて、本来の価格の数分の一の価格で販売していたのです。その結果、何が起こったでしょうか。いつまで経っても認知が広まることはなく、取引先からは本来の価値を理解されずに「安い買い物ができた」と喜ばれて終わってしまったのです。

また別の経営者も同様の思考に囚われていました。高級品を販売しようとするタイミングで安めの価格設定に固執してしまったのです。理由は「本当はもっと高く売りたいけれど、お客様に悪いから」というものでした。結果、その高級品は他の商品に埋もれてしまい、思ったような支持を顧客から得られませんでした。価格の安さばかりに焦点が当たり、本来の価値を理解されなかったのです。

安さは正義ではありません。売り手の自信のなさを表しているだけです。競合に無い独自の価値を提供できているのであれば、しっかりとした値付けをしましょう。それでも選んでくれる見込客が真の顧客になってくれるのです。

私の報酬は同業者の数倍いただいています。この価格を提示した時に断られたり、値下げを要望されたことはありませんでした。同業者が持ち合わせない価値を提供できると理解してもらえたからです。契約交渉時に、もし値下げをお願いされたらどうしていたでしょうか。おそらくその場で断り、交渉を打ち切っていたことでしょう。価値を分かってもらえないのであれば、それは私が不要であるということ。潔く引き下がるのみです。

独自の立ち位置を築かないとどうなるか

士業が独自の立ち位置を築かないでいるとどうなるでしょう。全国には数万人の競合がいるので、価格の安さと距離の近さだけで比較されることになります。経営者から「あの士業は⚪︎万円らしいから同じ価格にしてよ」「今度すぐ近くで開業した先生にお願いすることになりました」などと言われてしまうのです。

独立開業する前は、試験に合格して登録しさえすればすぐにでも売り上げが得られると勘違いしてしまいがちです。商売はそんなに甘いものではありません。資格と知識を持ち合わせているのは当たり前のことなので、それだけで見込客から選ばれることはありません。たまに見聞きする、同業者の「思っていたように顧問契約を得られなかった」「営業するのが嫌で資格を取ったのに営業しなくてはダメだった」という言葉が物語っています。

独自の立ち位置を築くと聞くと、自分にはそんなものは無いと言う人がいます。そんなことはありません。自分にとって当たり前のことだから、他者から見た価値を理解できていないだけなのです。独自の立ち位置を築くためのテコになり得る要素は誰にもあります。逆に失敗経験や劣等感を抱いていたことがテコになることもよくあります。

独自の立ち位置を知ってもらう

独自の立ち位置を築いた後には、それを知ってもらう努力が欠かせません。それには情報発信が必要です。せっかく同業者に無い強みを持っていても、見込客に伝わらなければ意味がありません。

士業の情報発信というと法改正情報や補助金情報を載せてしまいがちですが、まったく無意味です。なぜなら同業者でも発信できる内容だから。発信すべきは個性。士業の一番の商品である、自分自身を知ってもらうための発信をすれば良いのです。

ある士業は自分の趣味について熱く語っています。見込客からすると取っ付きにくい印象の士業の印象が、良い意味で裏切られるようです。他には夜の飲み歩きの様子を隠さずに伝える人も。まずは自分が何者かを知ってもらうためには、これらのオフタイムの様子を発信するのも有効です。

さらに情報発信で大事なのは継続すること。ホームページやブログやSNSの更新が途絶えていると今でも活動しているのかと不安になります。最初の数回の発信で挫折してしまう人が多いからこそ、継続するだけで独自の立ち位置を築くことも可能です。

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