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コラム

回収、引き取り

最近、立て続けに回収や引き取りの機会がありました。

スーツができたので引き取ってきた

先日、注文していたスーツを引き取ってきました。そのうちの一着は紺無地のスーツ。秋冬物が手元になかったので、今回新たに作りました。ここ数年はまったくスーツを必要としない働き方をしていましたが、この秋から働き方が変わるので必要になったのです。

家業の代表取締役を務めていた時は、取引金融機関へ足を運ぶ際に必ず紺無地のスーツを選んでいました。実質的に銀行管理下にあり、継続して支援をしていただいていたので、相手に合わせた服装を心がけていたのです。紺無地のスーツを着たからといって何かが変わるわけではないのでしょうが、気は心というもの。そこまで気を遣う必要はないと、ある経営者に言われたこともありますが、私はそうしたことを気にする性格です。

ある経営者が銀行へ支援を要請するのに、休日のおじさんのような恰好で出迎えていて呆れてしまったことがあります。人は見た目で(ある程度)判断されてしまうのだとしたら、不用意な服装をして本質的でない部分でマイナス評価を受けてしまうのは避けたいところです。

昨日は祝日だったので息子の制服にアイロンを掛けておきました。過保護なのはわかっていますが、今からプレスの効いたスラックスを履く習慣をつけておきたいのです。いずれ社会に出た時には、自分でアイロンを当てるようになることでしょう。

電気ケトルが回収対象になった

単身赴任に備えていろいろと購入し始めていて、電気ケトルもその一つです。Amazonのセールで少し安くなっていたので先行して購入してしまいました。ところが先ほどメールが来て、品質不良で回収対象になっているかもしれないとのこと。製造番号を確かめてから交換の手配をしなければなりません。

自社の製品を回収しなくてはならないとなったら、誰もがどきりとすることでしょう。本来はどんどん出荷して利益を得なければならないのに、手元に取り返さなければならないからです。この時、正常性バイアスに囚われて回収を躊躇してしまうと、かえって傷口を広げることになります。回収しなければならないのであれば、隠さずに周知して、さっさと回収してしまうに限ります。

遠い親戚が経営している会社が製品回収の判断を遅らせ、顧客に大きな被害をもたらし経営を揺るがす事態を招いてしまいました。立派な上場企業だからといって、必ずしも正しい判断ができるとは限らない良い例です。最初に連絡が入った時点で最悪を想定して動いていれば、あそこまで被害を拡大させることなく事態を収拾できたかもしれません。結局、彼の名前は悪い意味で世間に知れ渡ってしまいました。

私も家業の代表取締役を務めていた時に、品質不良の商品を出荷してしまい、回収の措置を取ったことがあります。ロット等を厳密に特定できなかったため、対象は過去に出荷した当該商品すべてとしました。仮に全数が返品されたら、たちまち経営が行き詰まるような損害が発生しかねませんでした。ところが結果はごく少数の回収に留まりました。そこまで深刻な事案ではなかったという消費者の判断が影響したのかもしれません。中途半端な判断をせず全数回収を目指したことで、事態を早期に終息させることができました。

段ボールの断面

商品回収のお知らせが届いて驚きました

眼鏡のフレームを交換してもらった

先日、新しくした眼鏡のフレームに異常があるということで交換してきました。私には何が異常なのかわかりませんでしたが、「交換させてください」とのこと。眼鏡店に出向くとレンズを入れ替えて、微調整をして作業はすぐに終了。「申し訳ありませんでした」の一言をいただいてお店を出ました。私からしたら休日に外出し気分転換になったくらいの出来事で、また次もこの眼鏡店で購入しようと決めました。

世の中、工業製品に溢れていますが、不良品がゼロになることはありません。何かの拍子に自分の手元へやってきたら、それは巡り合わせというもの。淡々と対応してもらえばそれで済む話。不良品が気に食わないからと騒いだところで、カスハラ扱いされるだけです。

以前、輸入車を取り扱っていた人と話したことがあるのですが、輸入車は船で輸送する過程で傷などがついてしまうことが多かったそうです。小さな傷くらいであれば、日本の営業担当者がささっと塗装して隠してしまうこともあったそう。その人いわく、新車だからと傷ひとつ無くても1mでも走れば中古車になるわけで、なんでもかんでも完璧な状態を目指すのは異常だ、とのことでした。

回収や引き取りは一見手間に思えても、向き合い方ひとつで信頼や安心につながるのだと改めて感じました。

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