大声で叫ぶ人

「責任者を出せ」と騒ぐ人って、その後に何が起こることを期待しているのでしょうか。ひさびさにリアル「責任者を出せ」を聞いてしまいました。
「責任者を出せ」と大声で電話している男性
今日は完全休養日で、朝から私用を済ませるために外出してきました。ある窓口で手続きをしていたところ、後ろに並んでいる同年代の男性が電話をし始め、「責任者を出せ、折り返し電話してこい」と大声で叫んでいます。やれやれと思いながら自分の手続きをしていたのですが、こちらに火の粉が降りかかってきたらと思うと集中できません。ようやく退出しようと振り返って改めて眺めてみると、見た目は普通の男性。何をそんなに興奮しているのか知りませんが、みっともないなぁと感じてしまいました。
私のこれまでの社会人経験からすると、「責任者を出せ」と言われた際には絶対に上司を出してはいけません。担当は自分ですとあくまで突っぱねて、相手を調子に乗せないことが大事。この頃では過剰な要求はカスタマーハラスメントと認識されて、何でもかんでも言いなりになる必要は無いという認識が拡がりつつあります。「責任者を出せ」なんて大声で口走ってしまったら、その時点でハラスメント案件とされてしまうことでしょう。
家業で雇われる立場だった頃に、ノベルティ商品の営業を担当していて何度もお叱りを受けてしまったことがあります。例えば、数万個収めた商品のうちの一つが破損していたと連絡を受けてもクレームはクレーム。誠実な対応が求められました。そうした時に一番怖かったのは、広告代理店の担当者などから「このあとどのように対応してくれるの?」と尋ねられることでした。いっそ大声で叱っていただいた方が楽なのですが、こう問われると困ってしまいます。これしきのことで上司を連れてくるわけにもいかず、うかつに全数検品しますなどとも言えず。当時やイヤでしょうがなかった仕事ですが、良い経験をさせてもらいました。
自分だけはハラスメントをしないなどと思い始めたら危うい兆候
ある士業事務所でハラスメントを目の当たりにしてしまったことがあります。所長がスタッフに対してギャーギャー叫んでいて、どうやら仕事の進め方に不満があるようでした。せめて外部の人に聞こえないように配慮すればいいのに、近隣にまで響き渡るような大声で叫んでいるものですからすべてが筒抜けです。士業事務所の看板を掲げているのに秘密保持もなにもあったものではなく、ハラスメントであるのはもちろん、士業事務所の信用を大きく損なうような事案でした。
この時感じたのが、ハラスメントは誰もが加害者になりうるということ。研修を受けているであろう士業ですら我を忘れて大声で叫んでしまうのですから、明日は我が身です。自分だけはハラスメントをしないなどと思い始めたら危うい兆候なのかもしれません。
ちなみにこの士業事務所は一時期は補助金案件で稼いでいたものの、某補助金のブームが去ってからは売上が低迷している様子でした。お尻に火が付いている状況だったので、士業の本人にも心の余裕が無くなっていたのでしょうか。

大声を出しているとバカだと思われます
せっかく研修を受けたのに反省しない経営者
ある経営者がハラスメント気質の方で、従業員に対して叱責を通り越してハラスメントをしていました。「稼がなければ給料を出せない」だとか、「お前を成長させるために俺はこうして指導してやっている」と大声を出しているのです。話を聞いていると、どうやら売上が低迷して焦っているよう。業績の低迷を自分のせいだと認められないので、すぐそばにいる従業員へ八つ当たりしているようでした。
その経営者へはハラスメント研修の受講を勧めることに。きまりが悪そうに研修を受けることを承諾してくれたのですが、研修後の感想を聞いて呆れ果ててしまいました。ハラスメントをしてしまうような自分も被害者だったかのような言い訳をし始めたのです。自分のした行為を素直に反省して次に生かしてくれれば良かったのに、彼の中で何がどうなったのか、自分も被害者であるように記憶を上書きしてしまったのです。
人は自分が正しいと思いがちな生き物です。素直に過ちを認めて、頭を下げられる人はなかなかいません。ただし、いつまでも自分が正しいと強硬に主張していると周囲から人が徐々に去って行きます。そのことがわかっているので、私はさっさと謝るべきは謝ることにしています。潔く過ちを認めれば、次の機会も生まれるというもの。プライドなのか優越感なのかわかりませんが、頭を下げられない人はかわいそうな人だと思っています。
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