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コラム

士業マーケティング なぜ関係性構築の手を抜くのか

顧客との関係性構築は欠かせませんが、最近、手を抜いてしまったような事例を見聞きしてしまいました。

夏祭りをしたのはいいけれど

ある事業者が夏祭りを開催したそう(士業ではありません)。その事業者はサポーターズクラブを組織していて、イベントなどでのボランティアを依頼することにしています。ところが今年の夏祭りでは事前にサポーターズクラブへの連絡は一切無し。せっかくお手伝いしようと考えていた人々はその機会を得られませんでした。

サポーターズクラブへの入会には会費が必要。お金を払ってでも手伝いたいと考えている人々なので、ボランティアを超えて「顧客」とも言える存在です。そうした人々にいわば不義理をしてしまったことに事業者は気付いているのか。不安になってしまった出来事でした。

士業事務所に限らず、事業を営んでいるのであれば利害関係者との関係性構築は必須です。何の関係も無いのに「顧問契約を締結してください」と連呼してもそれはただの押し売り。人は何かを押しつけられることほど不快になることはありません。サービスを買ってもらおうと考えるのであれば、売りつける前にまずは関係性の構築が欠かせないのです。

事務所経営を安定させるには売上を増やそうとする前に、利害関係者と生きた関係を構築しましょう。花に水や肥料をやるように地道な作業が必要で、即座に効果が目に見えるものではありません。でもその手間を手間と思わずに地道な作業を続けた者だけが、顧客から選ばれる存在になれるのです。

クラウドファンディングは打ち出の小槌では無い

また別の事業者がクラウドファンディングを実施して、ある社会貢献に関する費用を賄おうと試みました。ところが結果は大失敗。目標額の1/3も行かずに終了してしまいました。

プロジェクトが失敗した最も大きな理由は、プロジェクトを立ち上げさえすればネット上の不特定多数から支援を得られると勘違いしてしまったことです。事前に知り合いへのドブ板営業が必須だと強くお伝えしていたのですが、経営者には響かなかったよう。プロジェクト開始と同時に1/3くらいの額が得られるくらいの事前運動が必須なのですが、この事業者はプロジェクトが始まってからLINEでURLとスタンプを送ったのみ。こんな手の抜き方をしてしまっては、利害関係者の共感を得られることはありませんでした。

クラウドファンディングは見知らぬ人から資金を簡単に得られる、打ち出の小槌ではありません。他人からお金を預かろうとするのであれば、いつもと同じような関係性構築の手間や気配りが求められます。

さらに言うと、「クラウドファンディングであるからにはリターンを用意しなくてはならない」という思い込みも要注意。せっかく支援しようと思っても、リターンが設定されていると「リターンなんかにお金を使うつもりなのか」と感じさせてしまうのです。中途半端なリターンなんか用意する必要はなくて、支援したい気持ちを100%いただけば良いのです。Tシャツだとかバッジだとか、手作りの○○だとか。そんなもの目当てに支援をしようとする人は、本来、プロジェクトが目指している相手ではないはずです。

盆踊りの様子

イベントをテコにして利害関係者と関係性を構築しましょう

LINEを過信するな

LINEは便利な道具です。私も顧問先の経営者とのやり取りで使用しています。ただし、LINEを過信すると痛い目に遭います。クラウドファンディングを失敗した経営者のようにスタンプだけで意思疎通を図ろうとするなんて言語道断。士業事務所の経営者が顧問先の経営者とやり取りをしようとするのであれば、手触り感のあるコミュニケーションを心掛けましょう。

私が実践していて効果が大きいと感じているのがメルマガ。定期的にメルマガを発行していて、私のコラムを載せているのです。コラムの内容はこのブログ記事からの流用で、教科書に書いてあるような内容や、時事問題をそれらしく語るものではありません。私が今何をして何を考えているかをさらけ出しています。こうした自己開示をするにはほんの少しの勇気が要りますが、読み手は敏感にその勇気に共感してくれるものなのです。

また手書きのメッセージも有効。字が綺麗下手なんて関係なくて、何かの拍子に手書きのメッセージをもらえると人は喜ぶものです。私は一筆箋を用意していて、書類送付の際にクリップで付けるようにしています。目指しているのはまさに手触り感を感じられるコミュニケーションです。

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