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コラム

社会保険労務士資格をどう役立てるか

    社会保険労務士を目指した理由と、
    その後資格をどう生かしているかを書いてみます。

    年上ばかりの従業員

    2010年に家業の代表取締役に就任しました。

    従業員は幼い時からよく知っている、
    「○○おじちゃん」ばかりという家族的な会社です。

    そんな従業員に対し会社は、
    満足に処遇できなくなりつつありました。

    1990年をピークに業績が悪化し続けていたからです。

    例えば、
    基本給カット、早期退職募集など。
    さらに人員再配置のため転勤の命令も。

    こういった過程で、
    労働組合との交渉の頻度が増していきました。

    こうなるとお互い古くからよく知っているので、
    ギリギリの交渉がやりづらいものです。

    そこで私は経営の役目を果たすために、
    社会保険労務士の資格を取ることにしました。

    労使お互いに適切な緊張感を持って、
    交渉をおこなうためにも、
    若輩経営者の私が、
    せめて労働法についてはしっかりと勉強した方が
    望ましいと考えたのです。

    試験に合格してからは、
    思惑通り、
    無駄な駆け引きをされることなく、
    労使交渉を行うことが可能になりました。

    日々、それなりに事件はありましたが、
    投資ファンドへの事業譲渡をスムーズに実現できたのは、
    適切な労使関係を構築できていたからだと考えています。

    履歴書

    資格を取るのはゴールではなく始まり

    家族の障害年金請求

    家業を事業譲渡した後に、
    社会保険労務士として開業しました。
    しかし形ばかりの開業でしたので、
    実務経験はほとんどありません。

    1回だけ、家族の障害年金請求を手掛けたことがあります。

    ある難病のために日常生活に支障が生じていたので、
    私が請求手続きを行うことになりました。

    この時、どのように取り組めば
    効率よく作業が進められるのかを考えました。

    自分なりに勉強し認定基準を読みこんだ結果、
    障害による困難さの実質実態を伝えることが求められている、
    と理解しました。

    つまり、審査する側の立場を想像して書類を作成したわけです。

    その後、無事に障害年金を受給することができました。

    これだけで終わらせるともったいないので、
    自分が得た請求ノウハウを
    ボランティアで、困っている方にお伝えすることにしました。

    都内の就労移行支援施設で無料セミナーをし、
    障害年金を自分で請求するための勘所をレクチャーしたのです。

    主に精神の障害を持つ人々に、
    生きづらさをどのように行政に伝えれば良いかをお話しし、
    とても喜んでもらうことができました。

    要素を掛け合わせて独自の立ち位置を作る

    その後私は2017年に中小企業支援家に転身しました。
    もちろん当初は支援事例もなければ、相談実績もありません。
    また業界にはすでに多くのベテラン先生がいます。

    どうやって選ばれる存在になっていけばいいのか?

    もちろん日々のコンサルティングを売上アップに繋げていくわけですが、
    それだけでは多くの先生の中に埋もれていってしまいます。

    そこで私は自分を構成する要素を掛け合わせて、
    独自の立ち位置を作ることにしました。
    つまりブランディングです。

    私の場合は
    中小企業の経営経験

    徐々に生み出されていく支援事例

    社労士資格
    という要素の掛け合わせをおこないました。

    それぞれの要素だけだと何千人、何万人と競合(経験者)がいますが、
    こうして要素を掛け合わせることで、
    他に同じような背景を持つ人がいない、
    独自の立ち位置を作ることができるわけです。

    それはつまり、
    自分だけの価値を顧客に提供できるということ。

    ありがたいことに現在は、
    大学連携型起業家育成施設のインキュベーションマネージャーや、
    地方中小企業の社外取締役・顧問として、
    経営コンサルティングを行っています。

    資格を取得するのはゴールではなく、始まりです。
    歩んできた背景をうまく生かし、
    自分らしい生き方を実現したいと思っています。

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