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コラム

FAXってまだ使っていますか

最後にFAXを送信したのはいつでしょう。3年くらい前にどこかのコンビニで何かを送ったような記憶があります。以前は必須の連絡手段だったFAXですが、今では常用している人や組織が珍しく感じられるようになりました。

注文の手段がFAXのみだった

ある食品を販売している会社から「夏の贈りもの」の注文票をいただきました。季節の進物をする機会があれば、購入してくださいという意味です。ぜひ協力しようと眺めていたら、注文方法がFAXのみ。その時点で注文するのが億劫になってしまいました。自宅兼事務所にFAX(とプリンター)がないので、コンビニのFAXを利用するしかないからです。

今時、注文と聞くとQRコードを読み込んでネット上で完結するイメージです。ECサイトを立ち上げるのも容易になっているので、まだFAXでしか受付していないのかと軽くショックを受けてしまいました。もちろん、どの注文方法を採用するかは店が自由に決めれば良いことです。電話だけでも、FAXだけでも好きに決めれば良いこと。でもその方法が消費者に支持されるかどうかはまた別の問題です。

私が自宅兼事務所にFAX(とプリンター)を置いていないのは、紙に振り回される仕事をしたくないからです。開業登録をした当初はネット上でFAXを送受信するサービスに加入していましたが、まったく使わないのですぐに解約してしまいました。その後も無ければ無いでどうにかなるだろうというスタンスで今に至ります。3年前にはプリンターも壊れてしまい、買い替えることなく廃棄してしまいました。どうしてもの時は近くにあるコンビニで印刷をすればいいだろうと割り切っています。

ドキュメントスキャナーも同じように廃棄したきりです。以前は資料のPDF化に躍起になっていましたが、今ではどうしても必要なものはiPhoneで撮影しています。例えば税理士へ資料を共有する時も、スマホで撮影したものを送ってくれればOKと言われているくらい。わざわざドキュメントスキャナーを利用しなければいけない場面はなくなりました。

名刺に電話とFAXしか記載されていない

ある金融機関の担当者へメールを送信しようとしたら、メールアドレスの記載がなく、電話とFAX番号しか記載されていません。電話でメールアドレスを聞き出すなんて面倒くさいし、ましてFAXで送るなんてさらに避けたいところです。結局、その方へ連絡を取ることはあきらめてしまいました。せっかく情報提供しようと思いついたのですが、連絡手段が電話とFAXだけだったのでやる気が削がれてしまいました。

金融機関の多くが名刺にメールアドレスを記載していません。セキュリティ上の配慮の結果なのでしょうが、実務上、周りにとっては迷惑この上ないです。FAXだって誤送信のリスクはありますし、メールを使わないというのは現実から逃げているだけのように感じます。取引を重ねているとそのうちにメールアドレスを教えてもらえることもありますが、だったら最初から公開してよという話。情報が命の業界に身を置いていながら、今時、メールでなくFAXを使わせようという姿勢がまったく理解できません。

関与先からメールアドレスやチャットツールのアカウントを貸与されることがあります。セキュリティ対策は会社によってバラバラ。私にもセキュリティ研修を課すところもあれば、まったく野放しに使わせてくれるところもあります。これまで誤送信などをしてしまった記憶はなく、送信前には指差し確認をするのが習慣になっています。便利な道具だからこそ、適切な配慮を重ねたうえで使用しなければいけません。

複合機

複合機って大きいですよね

ある関与先のFAXが使われているのを見たことがない

以前は当たり前に使っていたけれど、冷静に考えたらもはや不要なものってないでしょうか。もしくは今は当たり前に使っていても、近い将来に使わなくなりそうなもの。FAXの他に請求書の郵送、中元・歳暮など。ひょっとしたら外線電話も不要になるかもしれません。最近は代表電話の代行サービスを利用する企業が増えてきました。妙に丁寧に応対してくれる人だなと思ってやり取りしていたら、どうやら代行サービスのオペレーターさんだったなんてことがありました。

ある関与先には立派な複合機が設置されていますが、FAXを送信しているのを見かけたことはありません。プリンターとしてしか使っておらず、たまに受信するFAXも営業FAXばかりです。私が経営者だったら使わない機能は不要と宣言するところですが、よその会社なのでそうもいきません。こうしてFAXという亡霊は生き残っていくのでしょう。


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