日経電子版で保存した記事(2025年6月)

日経電子版で保存した記事の中から、ここ最近で気になったものを紹介し、私の考えや連想したことを書いてみます。
聞こえづらさ解消 会話楽に
日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88909010V20C25A5TYA000/
私も少し聞こえづらさを自覚する時があります。コンビニなどで若い販売員さんの声が聴きとりづらいのです。例の流行病の時にレジにシートがぶら下がっていた時などは特に声が聞こえづらく、最初のうちは販売員さんの話し方が悪いのだと思っていたのですが、実は自分の耳が遠くなってきているのではないかと考えるようになりました。
人は毎年一歳ずつ歳を重ねていきます。今のところ特に体の不調は無いのですが、老眼が進み、特定の場面で聞こえづらさを自覚するようになりました。いつまでも学生の頃のように元気でいられるわけなどなく、こうして少しずつ中年になった自分を直視していくことになります。
人縛るオフィスは不要
日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO89033140Q5A530C2TCT000/
この会社ではテレワークを徹底しているそうで、経営者も名刺には住所を記載していないとのこと。それで事業が成長できているのであれば何も問題はないわけで、事務所の有無が本質的な問題とはなりません。
学生の頃に家業でアルバイトをしていた時、銀座の路面店の賃料が想像を絶する額であったことに驚いた経験があります。その時までてっきり自社物件だと思い込んでいたので、「京都の茶わん屋」を東京で演じるのにはそれなりのコストが掛かるのだなと理解できました。
もし今私が創業するならば、事務所に無駄な出費をするつもりはありません。もちろん真っ先に思い浮かぶのが賃料で、場合によってはバーチャルオフィスでも良いでしょう。かつてと違い、「株式会社だから信用がある」「事務所を構えているから信用がある」などと言いきれない時代になりました。株式会社を設立するコストは激減しましたし、事務所だってバーチャルオフィスで登記している会社がいくらでもあるからです。
どこの何にいくら投資するのか。何も考えずに莫大な事務所維持費用を掛けることのないようにしなくてはいけません。
長崎県、「経営指導員」20年ぶり増員 小規模企業の減少に危機感
日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC22BQN0S5A520C2000000/
この「経営指導員」という肩書が大嫌いです。指導してくれるからには、言うとおりに行動していればトヨタやユニクロのように事業を成長させてくれるのでしょうか。実際は補助金などのメニューを紹介してくれるだけなのに、ずいぶんと偉そうな肩書を背負わされていて現場の方は大変だろうなと思ってしまいます。
同じようなので「中小企業診断士」という名称もどこか上から目線の響きが伴います。中小企業を診断してくれるのが仕事だとしたら、これからさきAIに取って代わられることでしょう。診断以外に価値を提供できなければ、経営者のアポを取ることなどできなくなりそうです。
そういう私は「中小企業支援家で、経営者と対話する仕事です」と申し上げるようにしています。指導もしなければ、診断もしません。経営者と話すことで、知恵とアイデアを提供するだけです。その知恵とアイデアを用いるかどうかは経営者が決めることですし、さらには成果をつかみ取るのも経営者自身。私は経営者の踏み台となるだけです。

コンビニのレジで若い販売員さんの声が聞こえづらくなりました
博報堂、スター社員をAIに
日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO89141830U5A600C2TB2000/
スター社員の思考をなぞるAIを用いて、「より本質的なことを考えるのに時間を使えるようになった」そう。
この記事を読んで、私も自分のブログ記事を活用できないかと思いつきました。毎日1700文字程度の記事を1100日以上書き続けています。教科書に書いてあるようなことをそれらしくまとめたりはせず、(内容はともかく)私が考えていることを言葉にしています。ChatGPTに記事を読み込ませてQ&A形式の学習用データを作れば、経営者のための「壁打ち」AI(相談型インターフェース)なんてものが比較的簡単に作れそうです。
ChatGPTに尋ねたり検索したりするだけなら、いくらでもそれらしい教科書に書いてあるような答えは得られるのでしょうが、自分の思考をベースにしたAIができれば(内容はともかく)個性的な壁打ち相手を用意することができそう。まさに個性を伴ったAI。記事のスター社員さんの行く末も気になりますが、私という存在もこの先どうなっていくのでしょうか。
地方創生の成功事例を横展開 政府、会議体を新設
日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA070Q90X00C25A6000000/
人は事例が大好きです。ろくに勉強しないくせに、他者の事例となると急に耳を傾けようとします。私の講演でも同じ。聞き手がもっとも注目してくれるコンテンツは中小企業支援事例で、最後の質疑応答では「自分と同じ業種の事例を聞きたかった」などと言われることもあります。事例のストーリーばかりに目を奪われて、本質的な部分を理解しようとしていない良い証拠です。
世の中には成功事例らしきものが溢れていますが、果たして本当にその事例は成功事例だったのでしょうか。何を成功とし、何を失敗とするのか。表面に浮かび上がっている部分だけを見て成功不成功と判断して間違いはないのでしょうか。さらに言うと、成功事例らしきものの裏側には同じ数以上の失敗事例が必ず存在します。キラキラとした成功事例らしきものばかりに目を奪われずに、失敗事例からの方がより深い学びを得られるのではないでしょうか。
「成功事例の横展開」というと異論を許さない響きがしますが、「失敗事例からの学習」の方が地に足がついている感じがするのは私だけでしょうか。
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