成功事例の横展開には要注意

今日は日曜日なので最近考えていることをつらつらと書いてみます。
経営者によるハラスメントは即アウト
経営者自らがハラスメントをした場合は即アウトです。先日、日本経済新聞に、上場企業の副社長により幹部社員へのパワハラがあったと認定され、その後、副社長が退任していたという記事が掲載されていました。「昔はハラスメントにならなかった」「強く指導しただけ」「従業員に成長して欲しかった」などという言い訳はもちろん通用しません。率先して職場環境を整備しなければいけない経営者がハラスメントを行うなんて言語道断。周囲の目が厳しくなってきていることを自覚し、自らを律しましょう。
地方中小企業の経営者の中に、ハラスメント気質の方が一定数存在するのは事実です。そうした経営者へはハラスメントによる経営リスクを説き、くれぐれも一線を越えないようにと注意喚起しています。それでも経営の現場で従業員を強く叱責しているような場面に出くわしてしまうこともあります。周りの目がありますのでその場で私が何かをすることはありませんが、すぐに別室などへ移動し経営者へ警告を出すことになります。
ある経営者はふらりと来た私に気付かず従業員を強く叱責していました。従業員の様子からして私は一線を越えてしまっていると判断し、すぐに二人を引き離すことにしました。経営者から事情を聴くと、案の定、「従業員に成長してもらいたい」「稼がなければ会社は存続できない」などとテンプレートのような言い訳ばかり。事業の存続に関わるトラブルを自ら引き起こしているという自覚はないものの、私にまずいところを見られたという意識だけはあるようでした。
こうした経営者へはハラスメント研修を受講させ、経営層によるハラスメントがどのような危機をもたらすかを実例でもって示すことにしています。リアルな損害賠償額が示されて慄く人がほとんどで、ハラスメントのリスクを知ってその後の態度が改善される傾向にあります。それでも悔い改められない人は経営者失格。私が社外取締役であれば、経営者の更迭を提案せざるを得なくなります。
経営者によるハラスメントは即アウトと認識し、自らの立ち居振る舞いに注がれる視線を意識して従業員に向き合いましょう。
成功事例の横展開には要注意
行政が大好きなのが「成功事例の横展開」というやつです。最近もまた地方創生関連である地域の成功事例の横展開を目指すと報道されていました。成功事例の横展開とだけ聞くと何が悪いのかわからないかもしれませんが、他人の努力の結果をろくに検証しないで、表面に見える部分だけをなぞろうとする安直な姿勢が危険なのです。
私もあるプロジェクトに関わっていましたが、これも他地域の成功事例をコピーしようという試みでした。当初は先行事例のノウハウを学んでいたものの、次第にその本質に違和感を抱くように。違和感が確信に変わってからは、安直な横展開は何ももたらさないということを関係者にレクチャーし、徐々に先行事例から距離を置くように立ち回ることにしました。最後は敵失もあって先行事例と関係を断つことに成功。その後は私の好きなようにやらせてもらい、それなりの成果を生み出すことができました。
メディアなどに取り上げられた先行事例というのは眩しく見えるものですが、その本質を見極めないと吸収することはできません。なぜこの取り組みに至ったのか、どうして成果(らしきもの)が生まれたのか、どこを学ぶべきで、どこを無視すべきなのか。こうして思考に思考を重ねた結果ならば横展開も意義があるのでしょうが、行政が大好きな成功事例の横展開というのは本当に安直なものばかり。そもそも本当に成功事例なのかどうかから冷静に見定めなくてはなりません。

成功事例は簡単にコピーできるものではないのです
ようやく体調が戻った
この2週間くらい体調がイマイチでした。どうやら続けて2つの風邪か何かに罹ってしまったようで、最後は咳ぜんそくも悪化してしまう始末。その間は運動もすることができず、すっかり体がなまってしまいました。今日からようやく運動を再開することにしていて、まずはいつもより軽めにして汗を流すつもりです。
風邪を引いたきっかけはおそらくスピンバイクを漕いだ後にすぐに風呂に入らなかった日があって、その時に体が冷えたのが原因だったような気がしています。少し気温が上がりかけていたので油断し、息子に風呂の順番を譲ってしまったのです。まったくもう。もうすぐ48歳になりますが、これまで以上に運動量を確保することは重要になりそうで、さらに体調管理には気を遣わねばならないのでしょう。幸い今回は仕事に悪影響を与えることなく乗り切ることができました。年内は風邪を引かないくらいのつもりで生活していきたいです。
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