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コラム

現状維持バイアスを自ら克服する

今日は土曜日なので最近考えていることをつらつらと書いてみます。

待たされるのが苦手

先日、リモートである打ち合わせがあったのですが、設定された開始時間を過ぎても相手が現れませんでした。先方からの声かけによるものだったので5分が経過したところで退出。メールで「お忙しいようなのでまたの機会にお願いします」と入れておきました。すると数分後に先方から電話が掛かってきて、何かの手違いだったとのこと。話を聞いても遅刻の理由はよくわかりませんでしたが、そのまま電話で打ち合わせをしてとりあえずの用件は済みました。

仕事上の付き合いで誰かに時間を搾取されるというのが苦手です。それが初対面の方だとなおさらです。時間に余裕を持って準備できないような方とその後に良い仕事ができるとは思えず、割と早い段階で見切りを付けるようにしています。こうした対応をしていると「岡田は冷たい」などと言われることがありますが、別に気にしていません。家族や友人でも無い人に私の時間を分けてあげる理由がわからないのです。1日24時間、1年365日は誰にでも平等に与えられた限りある資源です。他人の資源を無駄遣いしようとする人とは感性が合いません。

ちなみに私は店などに並ぶのも嫌い。行列してまで何かを得ようとは思えません。例えば飲食店が店の外にまで客を待たせているのであれば、どんなに評判が良い店であっても入ろうとせずに隣の誰も並んでいない店を選びます。

現状維持バイアスを自ら克服する

このところ、これまでご縁の無かった人から声を掛けてもらうことが続いています。年に数回くらいあるのですが、最近のように短い間に続くというのは珍しいことです。残りの社会人人生と健康寿命を考えるとそろそろ転身すべき時だとは考えていて、50歳になる前にもう一度挑戦しなくてはいけないと思っています。

大企業に雇われているような立場ではないので、65歳まで何かが保障されているわけではありません。自分の社会人人生は自分で切り拓いていかないと、気付いたら賞味期限切れになってしまわないかと怯えています。それはつまり居心地の良い現在地から離れる勇気を持たなければいけないということで、現状維持バイアスを自ら克服しなくてはいけません。

中小企業支援業界に身を置いていると、自分が賞味期限切れになっていることに気付いていない支援者をたまにお見かけします。かつて在籍していた大企業での肩書きを何年もひけらかしていたり、かつて関わっていた事業者にいつまでもしがみつこうとしたり。そうした専門家らしき人には絶対になりたくなくて、私にとっては悪い見本になっています。

飲食店の前の椅子

並ぶのが嫌いです

中小企業支援のジレンマ

経営者と対話することを生業にしていて、日々多くの経営者と接しています。私を上手く使って思考の軸を定めようとする経営者がほとんどですが、中には自分の考えを認めてもらいたいだけのために話しかけてくる人もいます。そうした経営者にも対応はしますが、明らかにズレている場合にはその点を指摘せざるを得ません。指摘を受け止めてくれる人もいれば、いかにも不快そうな表情に変わり押し黙ってしまう人も。筋の悪い思考や行動は誰かがブレーキを踏まなければいけないわけですが、こうしたアドバイスを素直に聞いてもらえないというのは支援者側に取っては大きなストレスです。

以前に関わったある経営者はとにかく行動が遅く、そして優先順位の付け方が独特でした。私が社外取締役であったら経営者を交代させたくなるタイプですらあります。さらに付け加えると、営業から徹底的に逃げ続けていました。見込客の困りごとを収集しようとせずに内に籠もるのであれば、事業会社という形態を選択している意味がありません。その後はお話しする機会はなくなってしまい、どうやら事業は終わりを迎えてしまった様子です。もしあの時私のアドバイス通りに営業に注力をしていたら、などと思い出すこともありますが、すべては経営者が選択した結果の必然なのです。

中小企業支援の主役は事業者です。私のような支援者はあくまで脇役で、経営者が成果を掴み取るための踏み台に過ぎません。だからこそ、経営者と感性が合い、ずばずばと策が当たったときの喜びは大きなものです。反対にいくら踏み台になろうとしても足をかけてもらえないのであれば役割を果たすことはできません。


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