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コラム

優先順位について考える

ある経営者とお話ししたのをきっかけに「優先順位」について考えてみました。

それ、経営者の仕事ですか

ある経営者さんが相談に来てくれました。某業務についてアドバイスを求められたのですが、私からしたら経営者自らが手を動かすような性質の仕事とは思えませんでした。費用をかけてでも、(大きな方針を示したうえで)専門家へ丸投げしてしまい、営業に注力すべきように感じられたのです。あれこれ理由を述べられていましたが、私にはいまいち理解できず、優先順位の付け方が根本的に間違っているように感じられてなりませんでした。

経営者は事業を取り巻くすべてのことに目配りをする必要があります。でもそれはすべて自ら手を動かせというのとは違います。旗を掲げて進むべき方向を指し示すのが経営者の仕事で、一時的に手を動かさなければいけない局面もあるでしょうが、それはあくまで非常時だけのことです。常に経営者が何かの作業に追われているというのは決して健全な状況ではありません。

私は顧問先の経営者へ、「応接用のソファで横になって、物思いにふける時間を作りましょう」と申し上げることがあります。今日明日の仕事は従業員に任せて、その先の未来へ思いをはせて欲しいのです。当月の売上や資金繰りも大事ですが、目先の仕事に振り回されていると大局を見失います。経営者に必要なのは仕事の優先順位をつけること。作業に追われているうちは面倒くさいことを忘れられるかもしれませんが、本質的な経営判断を先送りしていては事業を成長させる機会を逃すことになります。

酒とゴルフに依存しない

私は酒とゴルフに興味はありません。お酒は誘われた時だけ楽しむタイプ。晩酌はまったくしませんし、毎日のように自分から誰かを誘って飲み歩くようなこともしません。たまに誰かと会いたくなると自分からお声掛けすることもありますが、あくまで主役は会話であって酒ではありません。

ゴルフは10年以上前に室内練習場のスクールに数か月通っただけ。たまたま新しいスポーツをしてみたくなったのです。仕事とゴルフを絡めるといろいろメリットがあるとする考え方もありますが、これまでの社会人人生でゴルフを嗜んでいないために遠回りをしたと感じたことはありません。

何が言いたいかというと私の働き方で酒とゴルフは優先順位が低いのです。それよりも大事なのはさっさと帰って運動すること、ブログを書く時間を確保すること、家族で食事をすることなどです。この優先順位が絶対に正しいとは思っていなくて考え方は人それぞれ。あくまで私が自分で決めた優先順位です。

一度、地方中小企業の経営者を経験すると、この優先順位というのを強く意識するようになります。自分で決めたものを曲げてまで誰かに合わせることを苦痛に感じるのです。雇われる立場しか経験の無い人からすると、「岡田はわがままだ」「また一人で懇親会を欠席している」などと思われるのでしょうが、優先順位を崩してまで他の誰かに迎合したくありません。自分の優先順位を持つことで、誰かに振り回されずに人生を歩むことができます。

ゴルフの練習

7番アイアンだけ振ったことがあります

社会人人生の優先順位

日本経済新聞のある記事によると、健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳だそう。私は今年48歳になるので残り24年しかありません。残り時間がわかっているなら、社会人人生にも優先順位が必要になってきます。何も考えずに過ごしているとあっという間に数年経ってしまうことでしょう。

いまの仕事をいつまで続けるのか。仮に先が無いのとわかっているならいつ進路を変えるのか。出たとこ勝負で人生を歩むのもそれはそれで楽しいのかもしれませんが、私は常に将来の選択肢を自分の手で握っておきたいタイプです。どこかの組織や契約書によって、相手の都合の良いように優先順位を決められてしまうなんて真っ平ごめんです。

以前にあるプロジェクトに関わっていた時、当たり前に契約を更新すると思われていたようですが私が選んだのは契約満了での退職。当時はいろいろありましたが、結果、今の働き方で自分らしく生きることができています。誰かの都合に振り回されても自分が消耗するだけ。自分の社会人人生の残り時間をにらみながら、自分が決めた優先順位に従って、その時々で適切な選択肢を選ぶように心がけています。


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