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コラム

労働組合と経営者のベクトルを一致させる

    家業の地方中小企業には労働組合がありました。
    その時の経験を書いてみます。

    労働組合を嫌う社長

    ある金融機関の取引先を集めた宴会での出来事。

    私と同年代の社長とお話ししていたところ
    「社内に労働組合ができた、絶対に認めない」
    とかなりご立腹でした。

    それまで快活にお話しされていたのに、
    労働組合の話になったとたんに豹変されました。
    あまりの様子に詳細はお伺いできず。

    このように労働組合を嫌っている、
    地方中小企業の社長は多いのかなと想像しています。

    私は逆で、
    「会社に労働組合があってよかった!」
    と思っていました。

    労働組合

    労働組合と経営者のベクトルを一致させましょう

    労働組合があるメリット

    私が経営していた地方中小企業には
    労働組合がありました。

    上部組合にも加盟しており、
    正社員全員が強制的に加入する、
    ユニオンショップ制を採用していました。

    経営状態が悪化し続けていたので、
    賞与が払えなくなったり、
    基本給を削減させてもらったりと、
    従業員には一定の負担をお願いすることがありました。

    その際の、
    従業員との交渉窓口になったのが労働組合。
    ユニオンショップ制なので文字通り従業員代表です。

    経営の立場からすると、
    交渉窓口が一本化されるので非常にお話ししやすかったです。

    労働組合と交渉が成立したなら、
    それは全従業員に納得してもらえたということ。
    (実際は個別説明もやりましたが、、、)

    交渉窓口が明確に一本化されるというのは、
    社内に労働組合があることによる、
    (経営者にとっての)大きなメリットだと思います。

    労使交渉で心掛けていたこと

    私が労使交渉で心掛けていたことは3つあります。

    日頃から労働組合とコミュニケーションを図る

    交渉事項が発生してから事務的にやり取りをはじめるのではなく、
    日頃から労働組合と経営状況を共有していました。

    金融機関との関係性だとか、
    収益の予想だとか、
    よほど差し障りある情報(人事など)以外はお伝えしていました。

    筋を通す

    まれに、組合幹部が、
    私的な要望を押し通そうとすることがありました。
    そういった人物の要望には一切応じませんでした。

    労働組合の立場を利用して、
    私的な利益を誘導しようとするのは許されません。
    ダメなものはダメ。
    一切、相手にしませんでした。

    労働組合の立場も考慮する

    労働組合にも立場というものがあります。

    組合員から毎月一定額の組合費を徴収し、
    そこから上部団体に費用を払い、
    また自分たちの活動費を賄っています。

    つまり、労働組合は組合員に対し、
    払っている組合費以上のメリットを
    実感させ続けないといけないわけです。

    経営の都合を押しつけるだけであったり、
    組合の要望が少しも実現しないのであれば、
    労使交渉は成り立ちません。

    労働組合の立場も考え、
    譲れるべきは譲り、
    実現すべき要望は実現して、
    経営のベクトルを一方向に向けるように注力しました。

    まとめ

    おそらく冒頭の社長のような方は、
    従業員が団結して対話してくることに、
    漠然とした恐怖感を抱いているのだと思います。

    でも冷静に考えれば、
    従業員がまとまっているということは、
    それだけ経営と同じ方向を向きやすいとも言えます。

    会社も労働組合も目指しているところは同じはず。
    関係性を構築すれば怖いことはありません。
    前向きに対話して経営に生かしましょう。

    ■今日の出来事

    数ヶ月分の領収書を処理しました。

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