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コラム

士業マーケティング 「言葉のかけら」を用意しておく

自分の考えをネット上などで発信するというのは、人によっては勇気を必要とする行為です。でも自分の「言葉のかけら」を持ち合わせておくといろいろ便利ですよ。

企画書を用意する時に白紙から書きたくない

今、ある企画書を用意しているところ。でも、面倒くさがり屋の私はまったくの白紙から企画書を書くなんて作業を抱え込みたくはありません。こんなときに役立つのが過去のブログ記事など。こうした「言葉のかけら」が資産として蓄積されているので、何かあった時にゼロから文章を書く必要はほとんどありません。自分の経歴だとか商売に関する考え方だとかがすでに繰り返し文章化されているので、うまく転用することで大幅な省力化が可能です。

さらに今回はChatGPTも活用しています。企画書の項目を列記し、それらの項目を埋めるための材料として過去の言葉のかけらを示します。すると、ほぼ私が書き上げたような雰囲気の企画書が生み出されました。後は微調整をするだけ。微調整といっても、変なところが強調されていたりするので全体のバランスを整える程度の作業。ゼロから企画書を書き上げるのであれば数時間も必要とするのでしょうが、ここまでの作業に要したのは30分ほど。時間を節約しつつ、良質な(と思われる)アウトプットを得ることができました。

ちなみに企画書は配信しているメルマガをベースにした出版企画に用いるもの。内容は「1年365日、経営者が「今日すべきこと」を日替わりで提示。ヒト・モノ・カネから健康まで、8分野にわたる実践的なアドバイスを収録」というもの。さて実際の出版に繋がるでしょうか。これまで何度か出版企画を持ち込んだり、いただいたりしてきましたが、どれも途中で頓挫しています。出版を目標として仕事はしていませんが、何か新しいことには挑戦したいと思っています。

個人をさらけ出さないと「言葉のかけら」にならない

せっかく日頃から情報発信していても、誰でも書けるような当たり障りのない内容ばかりでは、他に転用可能な自分の「言葉のかけら」にはなりません。例えば士業でありがちなのが、法改正情報や助成金制度の解説を発信してしまうパターン。貴重な情報ではあるのでしょうが、当事者である行政を始め、他の誰もが発信できる内容です。こうした情報をいくら発信しても見込客から選ばれるきっかけにはなりません。その人だけが発信できるコンテンツを載せないと、見込客は価格の安さと距離の近さだけで競合と比較してしまうのです。

発信した情報を資産にするためには個人をさらけ出す必要があります。他の人や文章生成AIが出力できない内容に価値が生まれるからです。自分の経歴、挫折経験、メディア掲載実績、顧客からの声、新聞記事に対する自分の見解、どんな姿勢で仕事に向き合っているかなど。こうした情報を発信し続けることで、自分だけの「言葉のかけら」が蓄積されていきます。

個人をさらけ出せないのであれば、情報発信をしても無駄です。「顔を知られたくない」「知り合いに見られたり読まれたりしたら恥ずかしい」「炎上したら怖い」「間違った内容を発信してしまうかもしれない」「変な人に絡まれたらどうしよう」。これらの懸念はもっともではあるのですが、一定のリスクは受け入れないとその先の成果を手にすることはできません。

作りかけのジグソーパズル

「言葉のかけら」を蓄積しておくと便利です

言葉を用意できなければ選ばれない

資格や知識は他の士業も持ち合わせています。競合に差をつけるとしたら、個性が重要。何を考え、何を発信しているのかが問われます。そうした時に、自らの言葉を持ち合わせていなければ、見込客に認知されることはありません。

言葉を持ち合わせるというと難しく聞こえるかもしれませんが、勇気を出して自分の考えを述べるということ。教科書に書いてあるようなことばかりを語ったり、大勢の人と同じ意見を述べたりというだけではその他大勢に埋もれます。決して全員には共感されないかもしれないけれど、自分の見解を述べることで、感性の合うごく一部の人から共感を得られればそれで良いのです。

私も中小企業支援や経営について好き放題に考えを述べています。ひょっとしたら一部の公的な団体などからは眉を顰められているかもしれませんが、まったく気にしていません。こうして自分の考えを自分の言葉で発信し、共感してくれる人と繋がることができればそれが一番うれしいのです。


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