下がった時の上げ方
気分が下がってしまった時は体を動かせば対処できます。でも、株価が下がった時にはどうすればよいでしょうか。
体を動かして汗を流す
気分が下がったなと感じたら体を動かして汗を流すことにしています。そのあとに熱い風呂に入ってさっさと寝れば、翌日まで気分の落ち込みを持ち越すことはありません。パソコンの前でいつまでも悩んでいても何かが解決するわけではなく、体を動かして気分転換するに限ります。どこかでどうにかなるのが人生。くよくよしていたところで何の解決にもなりません。
私の運動は自宅にあるスピンバイクを漕ぐことです。他には朝晩の通勤で少し長めの距離を歩くくらい。一番近い関与先へは2kmくらいなので、歩くのにはちょうどよい距離なのです。スピンバイクを漕ぐのは週3日を目標にしていますが、風邪を引いたり、飲み会が続くとどうしても回数が減ってしまいます。先週から今週に掛けてもそんな状況で、運動する日を確保するのにもそれなりに気を遣います。
スピンバイクを漕ぎながら見ているのはNHKオンデマンドのドキュメンタリーです。日本経済新聞と並んで私にとっては必要なインプット。中小企業支援に携わっているからといって経営に関する情報ばかりを仕入れればよいというわけではなく、世の中の大きな流れを気にするようにしています。最近見たのは「だから、私はここで生きる 福島・大熊町 移住した若者たち」という番組。東日本大震災で事故を起こした原発の町についてまとめられていました。ドキュメンタリーも誰かの主観が必ず反映されているわけですが、日々の生活では知ることのできない世界を垣間見ることができます。
筋トレに逃げるのはNG
ある経営者が資金繰りに窮するようになっているのは知っていましたが、次に会ったときに体が一回り大きくなっていたのには驚きました。どうやら筋トレを始めたようで、良い気分転換になっていると言います。そこまでは良かったのですが、経営悪化の根本原因は放置していたまま。当然、資金繰りが改善する見通しも立たず、近い将来の経営破綻もやむなしと考えているようでした。
トレーニングを現実逃避の一手段にしてしまうのは意味のない行動です。経営者は徹底的に現実に向き合わなければいけないわけで、体を動かしてすっきりしたからといって仕事をした気になってはいけません。その会社のボトルネックは経営者と従業員の信頼関係が希薄なことにあると私は見ていました。トレーニングする暇があったら従業員と対話を重ねるべきでしたが、なぜだか経営者は真摯な対話から逃げ続けていました。自分の筋肉は自分で管理することができますが、人の心は同じように管理できるものではなく、寛容の精神で受け入れることから対話が始まります。
株価が下がっときは放っておくタイプ
今日は株価が大きく下がっている様子です。自分の気分が下がった時は体を動かせば対処できるのですが、下がった株価はどうにもなりません。あわてて売っている人が多いのでしょうが、私の場合はとりあえず放置。すぐに換金する必要もないので、世の中がざわざわしている間は(株価を気にしつつ)、手を付けないようにしています。
それなりの額の現金を手元に置いておくと無駄遣いをしてしまいそうなので、株にして放置することにしています。NISAもやっていますが、強制貯蓄と同じ感覚。含み益がどれだけあるかということよりも、カメラなどを衝動買いしないために別口座に移している感覚で、株価が上がっても下がってもすぐに売ることはないので(それほど)気になることはありません。
株を持つメリットの一つは、新聞を読むときのアンテナが研ぎ澄まされることだと思っています。元茶わん屋の私ですので、まったく縁のなかった業界の記事はつい読み飛ばしたくなりますが、株を持っている企業に関連する記事は自然と目に飛び込んでくるもの。深く理解できるわけではなくても、自分事として記事を読むことが可能になります。
中小企業支援家として働いているのでさまざまな業種の経営者と対話をしていますが、おかげさまでこれまで「元茶わん屋だから相手にならない」とされたことはありません。経営理論や商売の原理原則というのに関心を持っているからこそ、さまざまな業種の経営者とお話しし、何らかの価値を提供することができています。
ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています
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