顧客と売上を作るための基本的な考え方
私の商売人としての考え方をご紹介します。
顧客と売上を作るための信念
江戸時代から続く家業の社長をしていましたが、
先祖代々伝わる家訓のようなものが明文化されていたわけではありません。
家業を投資ファンドに事業譲渡せざるを得なくなった経験と、
その後、中小企業支援の世界に飛び込み、
5年間で2,600件の個別相談を繰り返し、
自然と自分の中で固まっていったものです。
ノウハウというよりかは、信念と言った方が適切かもしれません。
ざっと、次のようなものです。
- 売り込まれたりセールスをされて喜ぶ消費者はいない
- しかも家庭にモノはあふれかえっている
- だからかつてのように簡単に売れなくなった
- いまの消費者には特に「買うべき理由」が必要
- スペックや価格ではなく「今より幸せになれる」ことを示せば選ばれる
売り込みは何より嫌われる
東日本大地震以来、利他的な考え方をする人が増えました。社会貢献だとか、SDGsだとか。そうなると当然、商売にも利他的な取り組みが必要になります。
利他の反対は利己。
利己的な思考の事業者は受け入れられない時代になりました。例えば電話やファクスでの営業です。私の所にも投資用マンションの営業電話がたまにかかってきますが、残念ながら最後までお話しを聴くことはありません。
自分の利益ばかり増やそうとし、「顧客囲い込み」「顧客獲得」といった従来型の考え方をしてしまう事業者は買ってもらえないばかりか、嫌われるということです。
利己的な一方通行の売り込みは何より嫌わる時代になっています。自分がされたら不快なことを、消費者にするのはやめましょう。
消費者の「今より幸せになりたい」に応える
ではどうすれば商品を買ってもらえるのか。
今までの商売と同じやり方を続けても売れません。
かつては売り手が「なにを、いくらで、どのように届けるか」を決め、消費者に大量にモノを売っていました。
しかし、百貨店業界は1990年から売上の下降トレンドが続いています。また全国の商店街の3分の2は「衰退している」「衰退の恐れがある」とされています。
マーケティングの主導権は企業から消費者の手に移ったのです。
その消費者は何を考えているのか。
時代が変わっても消費者が求めているのは「今より幸せになること」です。
現代の家庭にはモノがあふれ、家計は厳しくなり、高齢化が進み社会には閉塞感が漂っています。この状況で消費者は単にモノを買うことを目的にしているのではありません。買い物の結果、「今より良くなりたい」のです。
ここに現在の消費の本質があります。
関連記事