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コラム

士業マーケティング 独立開業した人に必要な気概

春が近づいてきました。独立開業の準備を進めている人もいることでしょう。私の経験を踏まえていくつかアドバイスを書いてみます。

売上の柱を複数持つ

事務所経営を持続可能な形にするには売上の柱を複数持つことが必要です。特定の顧客に寄りかかりすぎると、経営の自由が失われてしまい、柔軟に行動できなくなってしまいます。

よくあるのが公的機関の専門家などになったはいいものの、かなりの時間を拘束されてしまい、営業の自由が損なわれるパターン。独立開業したばかりの頃に行政と繋がることができるとうれしいものですが、諸刃の剣あるいは毒まんじゅうですらあります。

公的機関の専門家は任期があることがほとんどですし、制度の改変や担当者の異動によって風向きが変わることがしばしば起こりえます。さらに言うと、報酬も横並びで成果が正当に評価されることはありません。こうした機関と付き合って深く依存してしまうと、経営者として成長するタイミングを逃してしまうことになりますし、何より本当の意味での独立開業を実現できなくなってしまう恐れが生まれます。

もう一つ気をつけたいのが、特定の顧客から高額の報酬を得て満足してしまうこと。どんなに良い関係性を築いていたとしても、いつかは必ず終わりがやってきます。今、良い条件で契約できているからといって満足してしまうと、ある日、裸で放り出されることになりかねません。特定の顧客との取り組みだけで満足せずに、広く浅く顧客ネットワークを構築するのが安定への第一歩です。

進路の選択肢を複数持つ

誰かに自分の人生を委ねず、自分で切り開いていく気概を持つことこそが独立開業です。私は第二の社会人人生を歩み始めてから、常に後手に回らないように次の進路を決めてきました。

あるプロジェクトに関わっていた時は、周りから応援してもらえるのも最大5年間と見極めていたので、最後はどんなに引き留められてもスパッと次の進路へ進むことを決めました。ずるずる残っていても相手先に今後の主導権を握られてしまうだけと考え、自分の年齢や息子の進学のタイミングなども見計らって、居心地の良い場所から抜け出すことにしたのです。

今もそう。雇われる立場と違っていつまでも現在地に留まるわけにはいきません。自分が誰かに価値を提供できるうちに次の選択肢を検討しておかなければ、いざという時に空白の期間が生まれ、食べるのに困ってしまいかねません。私にとってまたいつか商売の現場に戻ろうというのは、夢ではなく選択肢の一つ。次にどの道を進むかは、後手に回らないように決めるつもりです。

トランプのババ抜きのイメージ

手元にあるカードを把握して行動するのも大事です

応援してくれる人に感謝する

独立開業したのであれば、応援してくれる人を持ちたいもの。逆に言えば、感性が合わない人とは即座に縁を切る必要があります。時間やお金、やる気を搾取する人は特に要注意。どんなにそれまで良好な関係であったとしても、本性を見極めたのであればさっさと決断するのがお勧めです。

江戸時代から続く家業を投資ファンドへ事業譲渡し、第二の社会人人生を歩んでいる私ですが、外の世界に出てしばらくのうちは、世の中にはいろんな人がいるなぁと驚くことが続きました。周りにパワーハラスメントを繰り返して「クラッシャー」と呼ばれている人や、私の成果や処遇に嫉妬してネチネチと嫌がらせをしてくる人、当初は志を持っていたのにいつしか傲慢になり裸の王様になってしまった人。こうした人々とは適切なタイミングで距離を置くようにし、いずれも後悔していません。彼ら彼女らとずるずると付き合っている人もいるようですが、私からしたら目先の利益に目が眩んで暗黒面に身を落としてしまったように見えます。誰とどう付き合っているかは、お天道様がしっかり見ているのです。

もちろん私を変わらずにずっと応援してくれる方々もいます。こうした人がいてくれるから、私も誰かに見守られている安心感を得ることができます。元従業員さんや、かつて仕入先だった会社の経営者さんが今でも気にしてくれるのは何より心強いです。ある経営者さんからは「息子です」とまで言っていただけました。全てを自分の責任で行動している自営業だからこそ、応援してもらえるありがたさを理解しているつもりです。


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