セミナー集客の極意

いたるところでセミナーが開催されています。私はこうしたセミナーを企画する側でもあるのですが、集客を甘く見ている主催者が非常に多いです。特に行政関係で多いのがチラシを作ることが集客そのものだと勘違いしている人々。チラシはただの道具。実際の集客に結びつけるにはドブ板営業が欠かせません。
チラシを作れば集客できると思っていないか
先日、ある支援機関から連絡が入りました。その数日前にはセミナーのチラシを送りつけてきていて、どうやら集客に苦労しているのだろうなとは予想していました。今回の連絡は、やはり、開催日が迫ってきているのに事前に想定していた数の参加者が集まらず、集客に協力してほしいとのことでした。
こうした依頼には可能な範囲で手を貸すことにしていて、今回もセミナーのコンテンツが役立ちそうな地方中小企業へ私からご案内しておきました。それにしても、集客が下手な支援機関がなんと多いことか。これらの支援機関に共通するのがチラシを作れば集客できると思い込んでいることではないでしょうか。関係先へチラシを送り付け、「配架してください」と依頼するのみ。こんな雑な行為で集客ができると思ったら大間違いです。
今回、私は懇意にしている事業者へ直接、説明に伺いました。「こんなセミナーが企画されていて、御社のお役に立つのではないかと思ってご案内しています」といった感じ。もちろん集客に苦戦しているようだとは一言も触れません。こうして一軒ずつ回って説明するのです。ここまで手間を掛けなければ集客なんて不可能で、チラシを作るだけで会場が埋まるなんていうのは幻想です。よほどの人気講師による講演でもなければ、そんな奇跡は期待できません。集客の実際は非常に泥臭いものなのです。
集客の肝は後手に回らないこと
私も現在、ある関与先で開催するセミナーを企画中です。タイトルなどまだ固まっていないのですが、日時と概要が決定した時点で既に動き始めています。チラシなんか無くても大丈夫。見込客へメリットさえ提示できれば、参加を促すことはできるのです。今の時点で最低限の目標人数はすでに達成できていて、あとはチラシができあがってから個別に案内すれば上乗せできるだろうという感じ。大規模なセミナーではありませんが、毎回、こうして地道に集客するようにしています。
集客の肝は後手に回らないことでしょう。開催日が迫ってきてから、「人数が足りないのでぜひ足を運んでください」なんて恥ずかしくてやっていられません。そんなことにならないように、早めに動き出して足で稼ぐ必要があるのです。
あるプロジェクトに関わっていた時、定期的にセミナーや勉強会を企画していました。毎回、それなりに楽しく開催できていて、その様子だけ見ていると楽して集客しているように思われたかもしれません。でも実際は、ドブ板営業で参加者を募っていたのです。「今度、〇〇さんのお役に立てるようなセミナーを企画しました。ぜひ出席してもらえたらうれしいです」と個別に連絡し続けていたのです。

チラシを配るだけでは集客は実現しません
セミナー主催者のレベルもそれぞれ
以前に講演をした際、主催者から「集客を手伝ってほしい」と言われて呆れてしまったことがあります。集客は主催者が責任を持って行うべきことで、登壇者に「私が話すのでぜひ聞きにきてください」なんて言わせてはいけません。講演で話すのは私、集客するのも私。じゃあ主催者は何のために存在するのでしょうか。案の定、当日の参加者は予定より少なかった様子。私は集まった人数に関係なくお話しするだけですが、主催者はどこか物足りなく感じていたようでした。自分たちが汗をかかずに集客しようなんて大間違い。この主催者とは二度と関わることはないと思っています。
またある主催者からは、さも人気のセミナーであるかのような雰囲気で集客を手伝ってほしいと連絡をもらったことがあります。人気のセミナーならばわざわざ私の所へ連絡などしてこないはず。よくよく話を聞きだしたら、やはり集客に苦労していて、電話を掛けまくっているとのことでした。困っているなら素直にそう言えばいいのに、自分をよく見せようと虚勢を張るから話が長くなるのです。
セミナー主催者のレベルもそれぞれ。さまざまな主催者から学べることがあります。
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