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コラム

会議よりバーベキュー

ある顧問先で、「会議なんてさっさと終わらせてバーベキューをしたらどうか」と提案したら、その提案が採用されてしまいました。

月1回の定例会議、本当に必要ですか

ある顧問先の雰囲気が悪いなと感じており、経営者に管理職同士がどのようにコミュニケーションを取っているのか尋ねてみました。従業員それぞれは一生懸命働いているのだけれど、微妙に調和が取れていないように思えたのです。

その会社では月1回、管理職だけが出席する会議があり、部署を超えた協力についてなど情報共有しているとのこと。経営者はきちんと機会を設けているから何が問題なのかわからないようでしたが、私からしたら管理職同士が月1回しか話していないことに不安を覚えました。小さな会社で月1回なんて儀式のような会議は意味がなくて、毎日朝礼の後にでも5分間だけ集まればいいのです。

「月1回の会議」というものに縛られてしまっている会社が多いように感じています。なんで月1回なのか、なんで会議なのか。そんな形式にとらわれずに、日頃から議論できる文化を作るべきです。会議というといかにも仕事をしている雰囲気を醸成することができますが、仕事のための仕事になってしまっていることがほとんど。本当に必要な打合せは、5分間の立ち話で用が足りるはずです。

私が会議を主宰したことがあるのは、家業の代表取締役を務めていた5年間の取締役会でした。その日に議決すべきことを議論して議決し、あとは概況の共有。それが終わればどんなに短時間であっても終了です。なんとなく1時間きっかり続けたり、お昼になったらなぜかぴったり終わるなんてことはありませんでした。定例の会議ではありましたが、メリハリをつけて実施してきたつもりです。

会議よりもバーベキュー

また別の顧問先では丸一日使って会議をするとのことで、私も同席を求められました。でもどんな大企業であっても、8時間も使って会議をする必要があるとは到底思えません。私が提案したのは、議論すべきことは要領よくさっさと終えることを目指し、残りの時間はバーベキューを楽しむこと。それまで長時間の会議が当たり前だったようですが、経営者も「実は2時間を超えるとつらかった」と本音を教えてくれました。どうせみんなが集まるのであれば、やるべきことをやった後には同じ釜の飯を食べればよいのです。

会議は一人で決められないことを議論し、その場で決めてしまう機会です。ダラダラと報告が続いたり、何かをあやふやなまま持ち帰ったりする場ではありません。そう理解すれば純粋な議題は限られるはず。報告事項は事前に取りまとめておけば良いですし、話して決めたことは期限と責任者を必ず定めます。これだけで会議の所要時間は大幅に短縮可能。残り時間があるのであれば、みんなでバーベキューでもして懇親の場にすれば良いのです。それらしい顔をして会議室に座り続けている必要はありません。

価値を生み出さない者にとって、会議って楽なのです。座っているだけで時間が経過していくからです。月1回の会議が複数あれば、その分だけ生産性は低下します。会議なんて少なければ少ないほどいいですし、短ければ短いほどいいのです。

ステーキ肉とソーセージを焼いているバーベキューの様子

会議よりバーベキュー

時間ありきの会議は最低

ある会議に呼ばれたことがあるのですが、どうやら4時間なら4時間という時間を消化するのが目的の会議でした。それはそれで大人の事情があるので仕方がないにしても、中身を充実させてくれれば良いのですが満足度は低いものでした。それらしいメニューは詰め込んでいたものの、一部の人にはまったく関係のない内容であったり、呼ばれたゲストも役割を理解していなかったり。せめてリモートでの開催にしてくれれば、本でも読みながら耳を傾けていられたのにと思ってしまうレベルでした。

おそらくそうした会議を企画してしまう人は本当の会議を知らない人です。座っているだけで就業時間が経過していくことを実体験していた人なのでしょう。会議のための会議は組織への裏切りであると思っていて、その間の人件費は会社の損失です。会議というものは使い方を間違えると非常に始末の悪いもの。一人で決められないことを議論して決めるのが会議。会議という言葉をふわっと使い出したら要注意で、身の回りに溢れている会議(らしきもの)が本当に必要なものなのかどうか、一度考えてみることをお勧めします。


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