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コラム

新聞を読むか、読まないか

新聞を読まないという専門家がいらっしゃるそうです。どうやって世の中の大きな流れを把握しているのでしょうか。

インプットの源は日本経済新聞

家業の代表取締役を務めていたときに、某コンサル会社の管理職に「日本経済新聞は毎日読んだ方が良いですよと」アドバイスされたことがあります。実は当時すでに毎日読んでいたのですが、普段の私の様子から「こいつ新聞読んでないな」と思われたのでしょう。

日本経済新聞は経営に関わる仕事をしている者にとっては広く浅く情報をインプットするのに効率の良い媒体です。「広く浅い」といっても丹念に読めば毎日1,2時間くらいは必要とするわけですが、私にとっては必要な投資の一つです。新聞を読まないと公言している専門家がいらっしゃいましたが、さて、世の中の大きな流れをどのように把握しているのか興味があります。日本経済新聞以上に効率よいインプット手段があるのであれば、もちろん、乗り換えを検討したいです。

経営者と対話していると新聞を読んでいない人が増えているように感じます。参考になりそうな記事のリンクを送るととても喜んでもらえるのですが、喜んでもらえるということは目を通していないということ。また、普段から新聞を読んでいるとおっしゃっているのに、関連業界の大きなトピックが記事になっていたのを話題にすると、まだ読んでいないと言われることもしばしばあります。企業を経営するには世の中の流れを把握しておくことは不可欠だと思っていて、新聞を読んでいないというのはそれだけで大きなハンデを背負っているように思えてしまいます。

私のiPad Proは日本経済新聞を紙面ビューアーで読むための専用端末となっています。他にはスピンバイクを漕いでいる時に映画を観るくらい。普段はMacBook Proを持ち歩いていて、iPad Proをリュックに入れることはありません。これだけ熱心に日経電子版を読んでいるのだから、日経から端末を支給して欲しいくらいです。

テレビは見ない

新聞は丹念に読む一方で、テレビはほとんど見ません。新聞を読みながら朝のNHKのニュースを聞いているくらいです。芸能ニュースとかまったく興味が無くて、そんなのに時間を奪われるのが許せません。最近話題になっているテレビ局の事案などももちろん興味なし。友達から話題を振られましたが、「まったく関心なし」とぶった切ってしまったくらいです。日本経済新聞にも記事が載っていたものの、関連記事はすべて読み飛ばしています。

たまに息子がテレビを見ていると、音がうるさくてかないません。我が家のテレビの音量で7くらいにしてくれないと、聞きたくもない情報が耳に入ってきてしまいます。2か月に1回通っている呼吸器内科のクリニックでも同様で、テレビを大音量で付けっぱなしにしているのが気に入りません。字幕を表示して、音を消してくれたら良いのですが。

テレビのくだらない情報に接していると、他の肝心な情報が届かなくなる恐怖感があります。ネット上の情報が個人に最適化されていくのと同じ感覚です。どうでもいい情報に接していると、そうした情報ばかりが飛び込んでくるようになり、本当に必要な情報が得られなくなってしまうのです。

知人が例の流行病に関連した陰謀論に染まってしまいました。個人の信条なので私が口出しすることはありませんが、しばらく会いづらいなぁと思ってしまいます。何が正しいかなんて確実なところは誰にもわかりません。日本経済新聞に書かれていることがすべて正しいとも限りません。それでも得られた情報をどう生かすかが大事で、陰謀論に染まってしまうような生き方はしたくないなというのが率直なところです。

リビングに置いてあるテレビ

テレビってうるさくて苦手です

全国紙が全国紙でなくなりつつある

ある関与先では会社で新聞を購読していて、管理職は毎日それらに目を通しています。ご丁寧に、読み終えた新聞には押印して周りにアピールしています。新聞を読むのは基本的に良いことだと思うのですが、管理職だけの特権のようになっているのが気に入りません。従業員は目先の仕事をしているべきで、特別な立場にいる管理職は新聞を読んでも構わないといった雰囲気を感じてしまうのです。

やることさえやっていれば、就業時間をどう過ごすかは従業員に任せてしまえばよいのです。新聞や本を読むのも自由、インプットしたことを何らかの手段でアウトプットするのも自由。そうした知的格闘の場を用意するのが経営の役割だと思います。自分たちだけが堂々と新聞を読むことができるなんて、いかにも了見が狭いです。

私が効率よい媒体だと思っている新聞も購読者は大きく減り続けているようです。先日も某全国紙が某地域での配達を止めるなんて記事を見かけました。もはや全国紙が全国紙でなくなりつつある現在、私にできることは経営者に新聞を読むように勧め、そして自分が読み続けることくらい。この媒体がいつまでも存続することを願っています。


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