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コラム

組織や文化の違いにどう対応するか

家業に勤めていた時は、組織や文化の違いなんて意識したことがありませんでした。ところが第二の社会人人生を歩み始めてさまざまな会社や法人と関わるようになり、その違いを意識するように。自分と背景が異なる人々と、どのように付き合うべきかについて書いてみます。

日時をピンポイントで指定された

先日、ある人から会いたいと言われたのですが、日時をピンポイントで指定されてしまいました。上司と共にやって来て、何か私に案内したいことがあるのだとか。違和感を抱いた点がふたつあって、まずは日時を一方的に指定されたこと。こちらからお願いすることがあるわけでもないのに、なぜ交渉の余地なくピンポイントなのでしょうか。おそらく上司の予定とやらを優先して、自分たちの都合の良い日時を指定してきたのでしょう。次に、私に必要のないセールスを受けてしまいそうであること。こちらの状況をヒアリングすることもなく、いきなり何かを案内したいと言われても嫌な予感しかしません。

こうした予定の入れ方は、同じ組織の中であれば気にせずに受け入れることでしょう。形式に囚われずにさっさと話して、仕事を前に進めるべきです。でも外部の人に対して、こうした強引な振る舞いは決して良い印象を与えるものではありません。自分たちの都合だけを押し付けようとするのは何より嫌われる行為です。自分の身に置き換えたら誰しも当たり前のこととして理解できるのに、いざ自分が何かを売り込もうとすると多くの人が忘れてしまいがちです。

迷った末に約束は別の日にしてもらうことに。その曜日のその時間に外部の人に対応するのが煩わしかったのです。来るなとまでは申し上げませんでしたが、こちらの都合の良い日時を指定させてもらいました。

会社や法人がそれぞれ持つ文化を尊重する

以前に関与先の会議に出席したときのことです。とにかく進行が遅くてダラダラと報告が続きます。何かを決めるということはほとんどなくて、事前に共有しておけば良さそうな情報のやり取りがなされるばかり。でもよく考えたら、それがこの会社の文化なのです。普段は全員が顔を合わせるのが困難であるために、こうした場で細かい話をせざるを得ないのだと気付きました。関与先の会議に出させてもらっている私は外部の第三者。自分の価値観だけで良し悪しを判断してはいけないと我に返りました。

中小企業支援家としてさまざまな会社や法人に出入りしていると、文化はそれぞれまったく異なります。つい自分が歩んできた組織を物差しに、あれこれ考えてしまいがちですが、それは誤り。会社や法人がそれぞれ持つ文化をまずは尊重しつつ、経営者が成果をつかみ取ることができるようにお手伝いするのが私の仕事です。

もちろん譲れない一線もあります。ある経営者は私には丁寧に接してくれるのですが、従業員にはずいぶんと高圧的に接していました。パワハラまではいかないギリギリの線です。ただし、底意地の悪ささえ感じさせるようなやり取りがなされているのを目撃したこともあります。こうした違和感は文化の違いで消化できるものではありません。それ以上深入りすることのないように、徐々に手を引かせていってもらったのはここだけの話です。

ロボット掃除機

掃除の文化もそれぞれの会社で大きく異なります

合わないと思ったら距離を取って自分を守る

中小企業支援家に転身して間もないころ、ある組織に派遣されたことがあります。初日に足を踏み入れた瞬間に、「なにかおかしい」と察知しました。雰囲気が暗いというのとはちょっと違って、健全でない緊張感が張り詰めているのです。案の定、後からわかったのがパワハラの巣窟であったこと。身を守るためにひっそりとやり過ごすことにし、派遣期間が無事に終わるのを待つことにしました。

こうした組織に放り込まれると、なぜだか悪に染まってしまう人が一定数存在します。そうした人々とは関わらないに限ります。感性の合う人を見つけて、邪悪な人々とは距離を取って自分を守るように心がけなくてはなりません。「朱に交われば赤くなる」とはよく言ったもの。変な色に染まらないように、関わる相手を選びましょう。

案の定、その組織は数年後に不正行為が発覚して崩壊。深入りせずに距離を取っておいてよかったとホッとしたものです。


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