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コラム

書き続けていれば文章は上達するのか

知人が書くブログ記事の文章が素晴らしくて驚きました。コツコツと継続していて、見込客からの反応が生まれるようになったと報告してくれました。

知人が書くブログ記事の文章が素晴らしかった

以前、知人にアドバイスを求められ、ブログで情報発信するように勧めたことがありました。それきりすっかり忘れていたのですが、「アドバイス通りに続けていたら、徐々に反応が入るようになってきた」とつい先日、うれしそうに教えてもらいました。ブログを見に行ってみると、確かに定期的に更新されていて、事業の様子が生き生きと伝わってくる文章が綴られています。変なセールス色は一切無くて、見込客も警戒することなく読み進めることができそう。良いコンテンツを発信しているなと感心してしまいました。

始めた当初は文章が硬くて、まるで目上の人に宛てて書いた手紙のような雰囲気。それでも徐々に文字数も増えて、自然体の文章に変化していく様子が見て取れます。文章の書き方を誰かに指導されたというようなことはないそうで、書き続けていくうちに自然と身についたのでしょう。しきりに感謝されましたが私は背中を押しただけで、本人の努力で反響を呼ぶコンテンツにまで育て上げたのです。

情報発信で一番大事なのはまず始めて、そして継続することです。情報発信で何らかの効果が生まれることは誰もがわかっていても、最初の一歩を踏み出す人は一定割合しか存在しません。さらに継続できる人となるとごくわずか。ほとんどの人が効果を体感できるようになる前に、途中で放り出してしまいます。逆に言えば、だからこそ継続できればそれだけで競合に差をつけることが可能です。私が「継続が大事」と言い続けているのはそのためです。

ただし、闇雲に継続するのも問題があります。独りよがりな発信が受け手に受け入れられることはありません。継続しながら反応を検証し、常に改善し続けていくのは当たり前のことです。

ある事業者からアドバイスを求められたので、動画での情報発信を勧めたことがあります。ところがそのコンテンツがイマイチ。素人の情報発信に上手い下手は関係ないのですが、なんというか、絶望的にセンスがないのです。でもその事業者は改善することなく、最初からまったく変わらない方針で継続するのみ。もちろん、閲覧数などの指標が向上することはありませんでした。私のアドバイスを聞きかじって闇雲に継続しているのでしょうが、そもそもイケていない内容で見込客から反応が得られることはありません。

継続していれば文章は上達する

私も最近になって、「文章が上手ですね」などと言われることがあります。このブログのコンテンツをメルマガに流用して発信しているのですが、すれ違った読者の方から褒められるのです。でも私からしたら、ただ書き続けているだけ。文章の巧拙を気にすることはほとんどなくて、毎日何をネタにするかで頭がいっぱいなくらいです。

中小企業支援事例をメディアに寄稿することがありますが、当初は概要を記したメモだけを作成し、あとはライターに丸投げしていたくらいです。そのうちになんとなく自分で書くようになりましたが、それでも例えば一時期連載をしていた新聞社のデスクには厳しく添削されたものです。

正しい文章の書き方というスキルがあるとしたら、学校では教えてくれないものの一つです。日記や読書感想文を書けとは言われましたが、読み手の心に響く文章の書き方なんて誰も教えてくれません。実際にはさまざまなテクニックがあるのでしょうが、まずは書き続けることが上達への近道でしょう。

このブログはあと1ヶ月くらいで1000日連続更新をしたことになります。平均1500文字だとして、これまで150万字を(内容はともかく)書き連ねてきました。原稿用紙にしたら3750枚分。これだけの分量をこなしていたら、誰でも少しは上達することでしょう。

日記帳とペン

日記を書かせようとする前に、文章の書き方を教えてもらいたかったです

自分の文章が上手いと思い始めたら要注意

ある創業間もない会社の経営者によるプレゼンや資料は率直に言ってイマイチ。簡単なことを小難しく語ってしまっていて、事業性を理解してもらうのにいつも苦労しています。問題は、経営者自身が自分のプレゼン能力や資料作成能力が高いと勘違いしていることです。受け手に伝わっていなくても、「相手の理解力が低い」と言い放つ始末。我が身を振り返って、伝える力を改善しようとはまったく考えていません。

文章も同じ。自分の書き連ねた文章に自分で酔い始めたら悪い兆候です。「私は他人より文章がうまい」などと考え始めたら、すでに読み手の心は離れ始めているかもしれません。仕事のために書き連ねた文章は自分のためでなく、見込客との関係性構築のために作成したものであるはず。常に相手の顔を思い浮かべて、我が身を振り返りたいものです。


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