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コラム

士業マーケティング 実名で情報発信する意味

士業が情報発信するのであれば実名で発信するべきです。なぜなら士業の一番の商品は自分自身だから。商品の魅力を伝えるためにも、どこの誰であるかがわかる実名でなければ意味がないのです。

実名で情報発信する理由

私はこのブログもポッドキャストも、実名を出して発信しています。名前を出すというのは最初、勇気がいることでしたが、続けているうちに何とも感じなくなりました。情報発信の目的が私自身を知ってもらうことであるので、匿名で発信するという選択肢はなく、他の誰かにどう思われようが自分をさらけ出すようにしています。

実名を出すというと「炎上したらどうしよう」「同業者に間違いを指摘されたらどうしよう」などと心配しがちです。でも大丈夫。まだ何者にもなっていない人の発信など誰も気にしていません。そんなことを心配する前に、まずは始めること、そして継続することに注力しましょう。

もちろん実名を出すからには適切な配慮は必要。そのあたりのバランス感覚は一般的な社会人なら持ち合わせていることでしょう。例えば、陰謀論に心酔しているような人は商売上の情報発信には不向き。例の流行病に関連してあれこれ言いたくなる人も手掛けない方が良いでしょう。

士業の一番の商品は資格でも知識でもなく、自分自身です。情報発信をするのであれば、その自分自身を前面に出さなければ意味はありません。匿名ではなく、実名で発信する意義はここにあるのです。

教科書に書いてあるようなことを語るな

実名を出したとしても、教科書に書いてあるようなことばかり語っても無意味です。そうした無色透明のコンテンツは誰でも生み出すことができるからです。発信するのであれば、等身大の自分を伝えることが必要。みっともない失敗や体験を隠すのではなく、むしろ個性を伝えるための武器にすれば良いのです。

以前にある公的支援機関のセミナー開催予定を眺めていたら、「ChatGPTでブログ記事を書く方法」なんていうのがあって驚きました。文章生成Aiでコンテンツを用意したところで、そこに個性は存在しません。他の誰でも書けるような内容の記事を発信しても、見込客にわざわざ選んでもらえることには繋がらないのです。そんなごく当たり前のことを理解せず、流行りの道具を使って情報発信が省力化できるように錯覚させる支援機関(と専門家らしき人)がいることにゾッとしてしまいました。

私は中小企業支援に携わっているので、日々、経営者と対話しています。その対話の内容や支援事例は教科書に書いていないリアルなことばかり。個人などが特定されないように手を加えるなど配慮をした上で、独自のコンテンツとして利用させてもらっています。

士業の情報発信というと、法改正情報だとか制度の解説だとかが目につきます。こうしたコンテンツが悪いとは言いませんが、見込客に知ってもらうきっかけになるかというと非常に弱いものです。他の誰かが発信できる内容ではなく、自分だけが伝えられるコンテンツを発信することが見込客に選ばれるきっかけになります。

ケースに入っている印鑑

見込客に選んでもらいたいのであれば、実名で情報発信しましょう

承認欲求を抑える

実名で個性を伝えるための発信をする時に留意したいのが、過度な承認欲求を抑えること。一時期はそうした発信を誰もが競うようにしていましたが、今では鼻につくだけのものです。豪華な食事をしましただとか、高いホテルに泊まりましただとか、行政の会議に呼ばれましただとかといった発信は笑われるだけ。自分の承認欲求を自覚し、鼻につかないレベルに希釈してコンテンツ化しましょう。

ある人は講演などの様子をインカメラを駆使して発信するのが大好きでした。画像の片隅に自分の顔が入り、後ろに参加者がずらっと並ぶ様子を撮影していたのです。当初はすごいと思われていたのに、そのうちに鼻につくようになり嫌われていました。そもそものその方の振る舞いも影響していたのでしょう。いずれにせよ、セミナー参加者を自分の引き立て役のように使う発信は反感を買うものでした。

人は誰しも承認欲求を抱えているものです。でもSNSが登場してから時間が経ち、日常的なツールになると舞い上がっている発信が悪目立ちする時代に変わりました。時代が変わったことを理解し、過度な承認欲求を投稿してしまっていないか、冷静に我が身を振り返りましょう。


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