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コラム

商売の相手に礼儀と筋を通す

契約書や規則が自らに有利であるからといって、商売の相手に不義理な態度を取るのには反対です。

礼儀と筋を通して、気持ちよく商売する

先日、ある経営者から契約書に記載のない内容について、どこまで相手方に配慮すべきか相談を受けました。私は「契約書で想定していなかったとしても、礼儀と筋を通しましょう」と提案しました。契約書作成時に想定していなかったからといって、不義理な行動をするといずれ我が身に返ってくるもの。秘密保持などに適切な配慮をしつつ、相手方が不愉快な思いを抱かないように対処すべきだと考えました。

創業まもない会社や、それまで経営に携わったことのない経営者の一部には契約書至上主義というか、あわよくば相手の隙をついて利益を得ようと考える人がいます。それはそれで経営戦略なのかもしれませんが、私は嫌い。相手がいて成り立つのが商売で、その相手を契約書を盾に出し抜こうという考えはいかにも小さいですし、持続可能性に欠けます。お互いが幸せになれる状態を目指すのが商売のはず。礼儀と筋を通して、気持ちよく商売したいものです。

無駄なトラブルを招き寄せないように抑止する気構え

私自身はある事業者から、契約書に記載がないことを盾にとられて不義理な対応をされたことがあります。そう言われてしまうとそれまでのことで、淡々と対処するしかありません。納得いかないと騒いだところで話し合いの余地はありません。そんな事業者と商売をしてしまった自分たちが悪かったのだとあきらめました。

もちろん、その後は一切のお付き合いを断つことになりますし、事後処理で配慮をすることもありません。もはや商売相手ではないのですから、ドライに対応するのみです。その時になって泣きつかれても知りません。相手方が招き寄せた事態なのです。

また別の時には、不利益な契約を押し付けられていたことがあります。当初はお互い様の部分があったので黙認していましたが、そのうちに相手方が不義理な言動や対応をするように。私も我慢の限界が訪れましたので、第三者を介して粛々と対応させてもらいました。もちろん私の言い分が100%通って決着。相手方はギャーギャー騒いでいましたが、時すでに遅しです。私からしたらケンカをする相手を間違えましたね、としか言いようがありません。

個人事業主には、無駄なトラブルを招き寄せないように抑止する気構えも求められます。時に毅然と対応することで、舐められないようにしなくてはいけません。こうした対応を心がけているせいか、最近は心穏やかに過ごすことができています。

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礼が大事

礼儀と筋を通す方を選ぶ

先日、ある会社の若手従業員がポケットに手を突っ込んだまま挨拶を返してきました。さて、どうしたものか。顧問先というわけでもないので、その場で指導する立場にはありません。自分の会社の従業員でしたら厳しく対処するところですが、社外の第三者ですので放っておくことにしました。

その後、彼の様子を見るともなく見ていると、上司とは折り目正しく接している様子。どうやら相手によって対応を使い分けているようです。私の経験ではこうした人物の性根を入れ替えることは困難。こうした振る舞いをしていると、この先どこかで壁にぶち当たるのでしょうが乗り越えられることはないでしょう。

また先日、ある人とお話しする機会がありました。私の自己紹介や経歴、商売をするにあたって心がけていることなどを隠さずにお伝えしました。すると最後に、「誠実に話してくれた」と言われてしまったのです。私からしたらありのままを飾らずにお話ししただけのこと。それを誠実だと言われてしまうと違和感を感じます。世の中には話を盛ったり、背伸びしてしまう人がそれだけ多いのかなと考えてしまいました。嘘まで行かなくても、自分に都合の良いように話を変えてしまうと辻褄が合わなくなり、あっという間に見抜かれ信用を失うことになります。であるならば、みっともなくても最初から真っ正直に自らを伝えるべきだと信じています。

商売をしていると利益を得るためにさまざまな誘惑に駆られます。健全な誘惑なら良いのですが、たまに自らの信用を切り売りするような誘惑も舞い込みます。その時に判断に迷ったのであれば、礼儀と筋を通す方を選びましょう。きれいごとで言っているのではなくて、結果、利益をもたらしてくれるからお勧めするのです。


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