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コラム

士業マーケティング 同業者と付き合うかどうか

先日、同業者に登壇してもらう企画を思いついたのですが、検索してもそれらしい方が近隣に見当たらずあきらめてしまいました。独立開業後に、同業者とどこまで密接に付き合うべきなのでしょうか。

社会保険労務士を検索したが、、、

セミナーを企画しようとしていて、近隣の社会保険労務士を検索してみました。私との対談形式で創業間もない企業が留意すべきハラスメント対策について話してもらおうと思いついたのです。ところが、「地名+社会保険労務士」というキーワードで検索したものの、パリッとしたホームページを持っている人が表示されません。結局、別企画を思いついてしまったので、社会保険労務士と対談するという企画は見送ることにしました。

私は社会保険労務士事務所の看板を掲げていますが、同業者との付き合いはゼロです。情報交換が必要な業務を手掛けていませんし、地域密着型のビジネスモデルでもありませんので、地域の同業者と日頃から関係性を構築する必要がなかったのです。これまで特に不便を感じたことはありませんでしたが、今回のようなことがあると少し困る程度。今後も同業者と積極的に絡んでいくことはないでしょう。

県内で「知っている」同業者は一人だけ。その一人も前職での繋がりがある方で、日頃のやり取りはありません。最初に登録した京都市で一緒に研修を受けた同業者もいましたが、私が引っ越してしまったのでそれきりです。独立開業したからにはそれぞれが一国一城の主。同業者とべたべたと付き合う理由というのは、それほどなさそうです。

同業者同士の懇親会を公式イベントにするな

そういえば年始の賀詞交歓会があるそうで、社会保険労務士会から出席を促すメールが来ていました。議員だとかも出席するのに、肝心の社会保険労務士の出席予定者が少ないそうです。出席者をかき集めようと、慌てているのでしょう。無理して出席者を集めなければいけないようなイベントなど、思い切って止めてしまえばよいのにと思います。出席希望者が少ないということは、参加するメリットが見い出せていないということ。年賀状もどんどん減っているなかで、昔ながらの賀詞交歓会の在り方も検討すべき時期でしょう。もちろん私は会のイベントにはすべて不参加。同業者同士ということはライバルでもあるわけで、わざわざ積極的に付き合う理由が見当たらないのです。

また同じように毎年、案内があるのが、社会保険労務士同士の懇親会のようなイベント。地引網とかバーべーキューをしているそうです。こういうのってどうなんでしょうか。会員の年会費から事業費(の一部または全部)が賄われていると思われるのですが、飲み食いにそれらしい目的を掲げて公式イベントにしてしまうセンスが疑問です。飲み食いしたいのであれば、有志が自腹でやれば良いと思うのですが。同業者同士でロビー団体を持つことは否定しませんが、懇親という目的で無駄な事業が目につきます。時間がもったいないので、年会費を払うだけにして参加することはありません。

せっかくロビー団体を組織しているのであれば、会員が単独では受けられないようなセミナーを企画したり、普段は立ち入ることができないような施設などへの大人の社会科見学を企画してもらいたいものです。前例踏襲ばかりで創造的な企画立案ができないのであれば、せめていったん立ち止まって再考してみたらどうかと思います。

金色のシャンデリア

家業の代表取締役に就いていたとき、賀詞交換会は乾杯のみで抜け出していました

独立開業したら見込客・顧客に向き合おう

同業者と付き合うのは同じ環境の者同士、居心地がよく感じられるのかもしれません。でも独立開業したら視線は外に向けるべき。見込客・顧客と向き合わないことには、事務所経営が成り立たないわけで、営業は必須。見込客と関係性を構築し、困りごとを打ち明けてもらえるまで間合いを詰めなくてはいけません。

社会保険労務士は社会保険労務士会に所属することが義務付けられています。ロビー団体でもあり、ギルドでもあります。でも本来の目的から離れて、大したコンテンツを会員に提供できていないのであれば距離を置くだけのこと。年会費をお支払いして、顧問先に足を運ぶだけです。ある別の士業の方とお話しした時に某会について尋ねたら、よほど余裕のある事務所経営が実現している人か、他にやることがないような人ばかりが運営に携わっているとのこと。一般の会員がどこか距離を置きたがっているように感じられるのは、どこも似たような状況なのでしょうか。


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